内容説明
根来の若き忍び・林空は、総帥・根来隠形鬼に呼び出され「秀吉を討て」と命じられる。 林空は仲間とともに、家康との合戦のため、甲賀忍者・山中長俊らの鉄壁な守りに固められた秀吉を銃撃しようとするが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キャプテン
49
★★★☆☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1584年安土桃山時代─小牧長久手の戦い編】山崎の戦いが「猿」対「禿」ならば、小牧長久手の戦いは「猿」対「狸(家康)」、「関ヶ原」よりも前の、天下分け目の第一戦といえる戦でごさる。順調に天下人の道を進む秀吉殿は、暴君と化していく。拙者はその背を付け狙う根来衆(和歌山の忍び)と行動を共にして、猿と狸の大じゃれ付き合いを見てきたでござる。前半の暗殺編はなかなかでごさったが、あの男のしょぼさには閉口したでごさる笑。暴君と化した猿の行く末を見に、次の時へ向かおう。2017/11/18
優希
37
忍びが秀吉を討つというのは歴史上誰かを討つよう暗躍するパターンですね。とは言え忍法帖の面白さがあり、期待をいい意味で裏切られました。鉄壁の守りにある秀吉に立ち向かう様子に興奮しっぱなしでした。2023/12/24
wakusan
8
忍者ものと、読む前はあまり期待していなかったが、いい意味で期待を裏切ってくれた一冊でした。史実を織り交ぜアクション満載。 暗殺者野風と同じテ-ストで満足な一冊でした。2017/11/21
ニャーテン
4
自分たちの生きる場所と民の自由な笑顔を守るという執念の暗殺も悉く失敗、敗北の結果は避けられないとわかっていても、その揺るぎない決意に次々と殉じていく紀州の人々と硬派な根来忍者に目頭が熱くなる。主人公の林空は志の高さが裏目に出るし、やることなすこと個の無力感丸出しで歯痒かったな。忍者らしく何らかの形で最後は一矢報いてくれると期待していたのに…え?ここで終わっちゃうの?と拍子抜け。読了してみれば、どうしてあんなに周りに好かれてたのか疑問w彼を取り巻く数々の生き様の方が魅力的だった。2017/03/29
(ま)
1
無縁所 紀の国に根ざすもの2017/11/04