内容説明
遠山金四郎とシーボルトが源義経生存伝説に挑む!(「蒙古帝(モンゴリア)の碑(いしぶみ)」) 琉球王国との交渉に訪琉したペリーが「琉米修好条約」の裏側を解き明かす!(表題作) 東郷平八郎が、上田秋成が、曲亭馬琴が歴史の間隙に踏み込み、偽史・稗史の成り立ちを覗き見る。その先に、「伝説」に込められた民衆の願望と権力者が創った「正史」の思惑が浮かび上がる、歴史ミステリーの意欲的傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
50
面白かったです。5編の短編それぞれが歴史における偽史・稗史の成り立ちを、歴史の狭間に入り込むことで解き明かされていると思いました。伝説で作り上げた青春を見ることができる歴史ミステリーなのではないでしょうか。2020/11/30
hnzwd
35
シーボルト、ペリー、東郷平八郎、遠山金四郎、、、。歴史上の偉人達が義経伝説や、源為朝の琉球上陸説の謎を解きます。文献から推論を積み上げていくという歴史ミステリの基本はきちんと抑えながら、歴史上の背景から何故伝説ができたのか、というアプローチは新しい感じがしました。解決は意外性もあってなかなか。他の作品も読んでみたい。2017/01/08
さつき
33
5編の歴史ミステリーの短編集。3編は琉球王国がらみです。源為朝が琉球に渡っていたという伝承に東郷平八郎と秋山真之がからむ『琉球王の陵』、源義経伝説をシーボルトが語る『蒙古帝の碑』、雨月物語の話しに見立てて起きる不思議『雨月物語だみことば』、遠山金四郎の聞く為朝伝承『槐説弓張月』、ペリーがみた琉球王国『蜃気楼の王国』。どの物語も歴史上の謎に、それより後世の歴史的有名人がかかわるという趣向が面白いです。琉球王国についてはほとんど何も知らないのですが、興味が湧きました。そして『雨月物語』が読みたくなります。2016/12/30
ぽっぽママ
14
面白かったのは なぜ偽史や伝説が作られる必要があったのかという視点で謎が解き明かされていくこと。琉球王国ものが3編あるが琉球の成り立ち、歴史や対外的状況が良くわかりました。特に表題作は 今の沖縄にもつながっている問題を感じました。2017/01/05
TheWho
13
歴史上の実際の事件を題材にし、異説orとんでも論を散りばめた5編の短編歴史ミステリーだが、時代を超えて同一人物が別事案を対応又は、時代を超えて別人物が同じ事案を対応する一見風変わりな連作短編に近い作品。東郷平八郎、シーボルト、遠山の金さん、曲亭馬琴、ペリー等の歴史上の人物が、源義経の生存説に絡む陰謀論や鎮西八郎為朝の琉球王国伝説、琉米修好条約に隠された陰謀等々のトンデモ論が展開する。偽史・稗史・陰謀が満載の面白い歴史ミステリーの1冊です。2022/05/17
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