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内容説明
信長の出現、秀吉の天下統一で、戦国は終焉を迎えた。天下取りの舞台は西日本にあったといわれてきたが、戦乱の始まりも終わりも、実は関東の動向が基準になっていた! 関東の動きをなぞるように、畿内では室町幕府の秩序を脅かす下剋上が頻発した。関東の覇権戦争の中心にいたのが西から来た新勢力の北条氏、旧来の関東秩序勢力である山内上杉氏・扇谷上杉氏である。両氏の関東支配権を賭けた争いから中世史の真相に迫る。
プロローグ 「日本の副将軍」対「関東の副将軍」―北条氏への改称と関東管領家の誇り
第一章 北条氏綱と両上杉氏の抗争
第二章 北条氏康と両上杉氏の滅亡・没落
第三章 上杉謙信はなぜ関東に襲来したのか?
第四章 「国衆」が左右する関東戦国史
第五章 国衆を困惑させた「越相同盟」
第六章 信玄の猛攻と北条氏の危機
第七章 北関東の攻防戦と謙信の死
エピローグ 消滅した「関東の副将軍」―新たな抗争の枠組みへ
※本書は、『戦国関東の覇権戦争盻眇北条氏VS関東管領・上杉氏55年の戦い』(洋泉社、二〇一一年)を改題し、文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
38
【中世31】山城を知るために戦国時代を概観したくなり、信長や秀吉以前を知りたくて読んだ。応仁の乱に先立ち争乱は関東から始まった。室町幕府の鎌倉府の崩壊だ(享徳の乱。1455年)。それ以来の関東の150年間はすざましいばかりだ。北条VS上杉の戦争と一言で言うけれど、何十という勢力が合従連衡を延々と繰り返す。著者は、武田氏と上杉氏の関係史料の年代比定に長らく取り組んできただけあって、精緻にその合従連衡を姿を描写する。室町時代後半の中央(畿内)の政治史も目が回るほどだが、本書における政治史はとにかく戦争戦争の↓2022/05/26
YONDA
19
扇谷上杉氏や山内上杉氏、古河公方や小弓公方など誰がどこで何をしていたかが整理できずにいましたが、北条氏を交えて書かれたこの本で大変良くわかりました。それと、謙信についたり北条についたり佐竹についたりと、関東の国衆達の生き抜くためのたくましさには頭が下がる思いです。国衆抜きには戦国時代を語れないと実感。非常に勉強になりましたm(_ _)m2017/03/18
roatsu
19
本書を読むと表紙を飾る三大名に対する感慨がまた新たなものになる。150年に及ぶ関東の戦国史を旧権威の象徴たる管領上杉氏と興隆する後北条氏の争いを軸に、付随する在地・周辺諸勢力の動きを交えて読み解く。まさに敵の敵は味方、昨日の敵は今日の友という様相。大名の配下にありつつ逆にその死命を制する存在でもあった国衆の重要さが改めて認識され、また、家族も含め存在そのものがすぐれて政治的であったとされる大名の統治者ゆえの細心の身の処し方が窺える記述が印象深い。文庫サイズながら戦国時代の本質まで踏み込める意義深い一冊。2017/02/20
スー
14
関東の戦争を北条、武田、上杉、謙信を中心にして、今まで其ほど重要視されていなかった国衆の存在と戦局への影響をしっかりと学べる良書です。この時代の本を読んでいつも不思議だったのが謙信が関東に来るとオセロの石がひっくり返るように反北条になり、謙信が帰ると北条方になるのを繰り返し、それに対して罰もなく赦されていた理由がわかりました。それにしても面白い程コロコロ勢力図が変わり、北条家も土地が増えてもそこは国衆の土地なので、家臣の手柄に与える土地はどうしてたのか?と新たな疑問が増えました。まだ知りたい事が沢山ある。2017/10/07
nagoyan
13
優。伊勢宗瑞の後継者氏綱が北条の名字を名乗ってから、山内上杉氏の名跡を襲った長尾景虎(不識庵謙信)の死に至る関東戦国史。北条VS上杉の対立関係の中に、戦国期特有の「国衆」の存在感の大きさをあぶりだす。戦国大名の統制に必ずしも従順ではない国衆は、戦国大名の戦争に巻き込まれるだけの存在ではなく、自己の存続と利益のために戦国大名を戦争に巻き込んでいく。国衆同士の対立が、戦国大名同士の対立、抗争につながっていく。本書は洋泉社新書を改題、文庫化したもの。2021/08/19
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