内容説明
高校二年の初めての席替えで僕・中嶋雄太の隣の席になった柴田は、変り者として有名な美少女。 頭はいいけど周りをわざと遠ざけている彼女がどうにも気になり、ちょっかいを出す僕を、ウザがりながらも次第に受け入れてくれる柴田。だが、ある日親友の矢野と共に学校帰りの彼女の後をつけてみると、着いたのは意外な場所だった。そこで僕と柴田は互いの傷に触れてしまい、二人の過去の糸が絡み合っていたことを知る。蟠りと想いで作り上げられた繭を、果たして解くことができるのか――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
51
空気感がとても好き。だけど、楓にかかわるある言葉があっさりと流されているのと、重大な事実がまだ解決されていないことが気になった。・・・ということは、続編があるのかな? 期待してお待ちしています。2016/10/25
かんけー
22
面白い青春ミステリーですね(^.^)柴田と言う頭脳優秀なんだけど壁を作って人と関わろうとしない?女子がいて、そんな存在を頻りに気にする撲こと中嶋と悪友?の矢野がいた。中嶋のこれまた優秀な双子の妹楓が水難事故で亡くなった時点で物語は動き、楓を含めた4人の数奇な運命と巡り合わせが奇跡に近い確率で紐解かれて行く..柴田のキャラが良い意味で強烈(^.^)中嶋の真っ直ぐさも好印象?だけど、矢野のキャラが緊張感を柔らげる役目とストッパーとしても?頼りになって。各キャラが内に秘める傷みと痛み。他人に触れられたくない→2016/11/27
ami*15
20
まず空港のシーンや空の写真集など「空」に関する描写が凄く綺麗な物語だと思いました。物語の流れに関してはヒロインの柴田というよりも亡くなった中嶋の妹に囚われていた点が予想外でありがっかりでしたが、妹の秘密と柴田や矢野の関係が絡んでいく感じがなんとなく不思議な空気を感じました。写真集の詩の言葉や「海の底と空の上、遠い方はどっちでしょう?」という作中のクイズもそれなりに深い。最後まで読んでみて感じ取りにくい点もいくつかあったけど、描写は結構好きだったので機会があればまたこの作者の本を読んでみたいです。2017/10/24
吊り太郎
15
書店にて、目に止まり購入しました!ねぇ、柴田 良かったです!読み進める内に、どんどん世界観に引き込まれてしまいましたね!夢中になって読み更けました!柴田、中嶋、矢野の三人とも環境や境遇が違えど、共通の過去を持ちその蟠りを、何かを感じとった柴田と中嶋。となりの席にいながら、無視し続ける柴田。自分でも、自覚している中嶋の欠落した感情、まるで引き寄せられたような二人。何かを、未來を、今を変える事は、できるのか??考えさせられる作品でした!2016/10/20
しぇん
15
クラスで故意に孤立している少女に話しかける所から始まる物語ですが、交流するにつれ浮かび上がってくる過去の関わりと……。三年前無くなった双子の妹の真実を追いかける事が主軸の物語になっていますね。主要人物皆が過去に囚われている状況なので基本話が暗いですね。浮かび上がってくる真実も哀しいものでしたし。あと、何となく女性向けなのかな?とも思ったりしました。2016/10/10