文春新書<br> 安倍晋三「保守」の正体 岸信介のDNAとは何か

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文春新書
安倍晋三「保守」の正体 岸信介のDNAとは何か

  • 著者名:菊池正史
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 文藝春秋(2017/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611157

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内容説明

安倍総理は本当に憲法改正に向うのか? 改憲議論前の必読書!

憲法改正は、安倍総理が「DNAをしっかり受け継いでゆく」と公言する祖父・岸信介の悲願でもあった。
しかし、あの戦争を始めた指導者の一人であった岸の思想は、本当に受け継いでゆくべきものなのか。
岸・安倍ファミリーの悲願は、われわれ国民を幸せにするのだろうか。

安倍総理を支えているのは「保守」層である。しかし、一口で「保守」といってもいろいろある。
安倍総理が「脱却」すべきものとする「戦後レジーム」を築いた戦後の指導者たちも、また「戦後保守」と呼ばれる「保守」政治家なのである。
吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄……平和で豊かな戦後日本を作り上げた「戦後保守」から、どうしてわざわざ脱却する必要があるのか。
岸の思想の根幹は、「エリート主義」と「戦後体制の否定」である。そして、特攻の悲劇を美しい日本人の物語として賛美する。このような思想を、現代に蘇らせる必要はあるのか。

戦後の保守政治家たちの思想と行動を検証しつつ、私たちの目の前にある危機を徹底的に考えた本書は、憲法改正議論前の必読書だ!

<おもな目次>
●第一章 岸信介の保守●
反米/真の独立/反大衆 など

●第二章 戦後保守●
大衆とエリート/大衆化のシンボル 田中角栄 など

●第三章 岸的「保守」の断絶●
岸の後継者 福田赳夫/青嵐会/戦後政治の総決算 など

●第四章 異端児たちの挑戦●
中曽根行革/コンセンサス政治の崩壊 など

●第五章 迷走する戦後保守●
小泉構造改革/戦後体制脱却の可能性/安倍「保守」の正体 など

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

42
『「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 』の著者が戦後日本の保守政治を時の首相を切り口に解説する一冊。したたかにアメリカと外交交渉して戦後保守の道筋を引いた吉田茂から調整型の自民党政治をみごとに破壊した小泉純一郎まで。戦後保守は、豊かさや安全保障政策を求める自民党だけでなく平等や平和主義を求める社会党も重要な担い手でした。安倍が伝統や国家を語るときに振りかざす大義名分に隠れた真意は、「政治の主体は国家ではなく自由な人間である」とした社会契約論に立ち返ることで鮮明になると現役の政治記者として危機感を示します。2020/07/21

skunk_c

21
中堅ジャーナリストが岸信介と安倍晋三の連続(あるいは不連続)を探っているうちに、いつの間にか自由民主党を軸にした戦後保守政治の系譜をたどることになってしまったようだ。おそらく著者も「保守系」と思われるが、落ち着いた筆致とジャーナリストらしいバランス感覚で説き起こす保守の70年史は、コンパクトに整理されていると思う。岸を研ぎすまされた知性の持ち主としながらも、戦争を決断した閣僚が戦後権力に返り咲くことを批判する一方で、安倍の言動の問題点を冷静にえぐり出す。安易に右左、保守革新を峻別しない姿勢に好感を持った。2017/10/26

るな

3
タイトルから想像した内容とはかなり違っていたが、戦後の歴代政権の目指したことやその功罪など、大まかな政治の流れが解説されていて勉強になった。以前の自民党では後藤田さんや野中さんのような戦争体験者が、国民の平穏な日常を根こそぎ奪った戦争に逆戻りしないよう歯止めをかけていたことが分かる。現在はそういう存在がいないのが心配だ。筆者の時として熱っぽい語り口には、政治への真摯な向き合い方が感じられた。一番驚愕したのは、昭和10年の永田鉄山斬殺事件直後の現場に福田赳夫さん(当時30歳)が赴いたという事実である。 2017/06/19

km.

2
何故、岸は戦後体制脱却し戦前回帰(復古性)を目論んだのか。平和主義がじゃ駄目なのか。そんな、岸信介の思考が知りたくて読んでみたが、理由は明快だった。岸は、開戦を決定した東条英機内閣の商工大臣であり、開戦の詔書にサインをした人物で、戦後は戦犯容疑者となり収監された。 そもそも岸にとっては、先の戦争の原因は日米の帝国主義的な対立で、日本にとっては防衛戦争だったと考えているらしい。負けたこと以外、日本の体制が間違っていたとは考えていない。自らが腕をふるってつくりあげた戦時国家が理想であった。そういう事だそうだ。2024/12/19

SK

1
102*タイトルが釣りだなぁ。安倍の話は、最後の数10ページのみ。戦後保守、戦後民主主義の危機。2017/03/25

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