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内容説明
・行動する経済学者、最後の書。
「本書には、先生の著作をほぼすべて読破している筆者にさえ新鮮な論考がふんだんに収められている。したがって、これまでに先生の著作をいくつか読んだ読者にも新しい発見のある一冊となるだろう。もちろん、初めて読む読者には、先生の経済学を知るうえで最適の一冊である」(小島寛之)。 2014年惜しまれてなくなった行動する経済学者、宇沢弘文氏。その評価は没後高まるばかりです。競争に疲弊した日本人は社会のあり方について問い直す機会が増えているのではないでしょうか。宇沢氏の出発点は社会的弱者への思いでした。宇沢氏は、自動車の社会的費用、ヴェブレン、地球温暖化、医療、教育、都市など様々なテーマについて発言してきました。一見拡散していると思われるこれらのテーマが、実は、社会的共通資本というキーワードに即して整理できることを総括して示したのが本書です。宇沢氏の世界観が凝縮された、宇沢氏に関心を持った方にとって格好の入門書です。エピソードも交えて綴った小島寛之氏の解説で、宇沢氏が何を考えて行動していたのかを理解できます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
私は宇沢先生の本はほとんど読んできたのですが、これは未読でした。というよりも私家版で出されている関係で今まで陽の目が当たらなかったのでしょうね。Ⅰ部からⅢ部までに古典や「自動車の社会的費用」をさらに発展させたもの、環境問題や制度資本について述べられています。宇沢さんの幅広い著作からは物足りなく思われるでしょうが、先生の言いたいことはほとんどここに書かれている思われます。いい本です。2016/03/31
(haro-n)
62
宇沢先生が経済学を本格的に取り組むきっかけとなったミルやヴェブレンの業績を紹介しながら、制度主義のめざず経済のあり方を説明している。社会的共通資本の例として、自動車問題、水俣病、工業開発計画の挫折、共有地(コモンズ、入会)の悲劇をあげている。また、学校教育・医療制度・金融制度・都市も同様の役割があり、管理・運営への配慮の必要性を説明する。社会的費用の細かな考えは勉強不足の私には難しい。それでも前半の具体例を交えた説明は身近なものが多く、自分なりに社会的共通資本について考えるよい題材になると思った。例えば↓2017/11/15
壱萬参仟縁
32
経済学に対する進化論的アプローチは、心理学、社会学、法律学、文化人類学の成果を援用する(42頁)。市民の基本的権利と社会的共通資本のサービス(63頁~)。最低所得水準の問題(64頁)は、恣意的なインフレをアベノミクスが進めたため、今後とも根深い。社会的共通資本のマネージメント(79頁~)。資源効率配分と所得分配公正性(82頁)。ロールズの格差原理で、最も恵まれない人を基準に効率と分配を考えることは福祉的発想であろう。市民的権利の侵害(100頁~)。2015/11/10
呼戯人
20
宇沢弘文の経済学を社会的共通資本の概念の形成史としてまとめた著作。ジョン・スチュワート・ミルから、ソースティン・ヴェブレン、ジョン・デューイに至るリベラリズムの系譜に連なる物として、宇沢の経済学を描いている。特に経済学においては、ヴェブレンの制度主義の考え方からの影響が大きくケインズの一般理論を準備したものとして描いている。私は、持続可能な福祉社会を作るには宇沢の経済学が必須のものだと考えている。本当に偉大な経済学者だと思う。2019/06/02
cape
20
著者の主張した社会的共通資本の考え方を核として、自動車社会や公害、温暖化、学校教育、医療などを論じた文章をとりまとめた本。行動する経済学者であった宇沢氏の主張は、社会の実状とかけ離れがちだった著名な学者の主張とは一線を画する。時間を経て、若干の誤差が生じているものもあるが、多くは今も価値ある提言。偉大な経済学者の功績に気軽に触れられる、うまくまとめた良書ではないかと思う。世の中を考えるにあたっては、こうした知見が役に立つだろうと思う。もっと読まれてよいのではと思うがどうだろうか。2017/04/30
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