講談社現代新書<br> 西郷隆盛と明治維新

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講談社現代新書
西郷隆盛と明治維新

  • 著者名:坂野潤治【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2017/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062882026

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内容説明

日本近代史の第一人者が、日本を近代国家に導いた人物を描き出す! 征韓論、西南戦争……、「軍部独裁と侵略戦争の元祖」はつくられた虚像だった!幕末期に「議会制」を構想し、封建制の打破に尽力し、江華島事件を卑劣と非難した、幕末維新の巨人の実像に迫る一冊。

目次

はじめに
第一章 「攘夷」なき「尊王」論者
第二章 安政の大獄と西郷隆盛
第三章 西郷の復権
第四章 大名の「合従連衡」から藩兵の「合従連衡」へ
第五章 「革命」の終了と政権復帰
第六章 廃藩置県後の西郷
終 章 西郷の虚像と実像
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

28
書架から発掘。西郷は一貫して攘夷論者ではなく、攘夷・開国は棚上げしていたこと、そして合従連衡により、合議による国家運営を目指していたとする。これが明治維新によって達成されると、技術革新等への造詣が浅い西郷は「時代遅れ」になったとの見立て。ただし毛利敏彦の「西郷は征韓論者ではない」という説を支持している。著者はおそらくこれ以降の明治~昭和という大きな流れの序章として本書を位置づけていると思われる。そのような視点から考えれば、明確な主張がコンパクトにまとめられた書として、些細な疑問点は無視できると思った。2018/08/12

かんやん

27
歴史上の人物を後知恵で評価するのも、致し方ないかなと思うけれど、著者の度を超えた西郷推しはどうかなと。「島津久光には嫌悪の情しか湧いてこないし……大久保利通にも、好感を持てない」「勝海舟という人物も、あまり好きになれない」こんな風に好き嫌いをハッキリ宣言する歴史家も珍しい。才能や性格ではなく、地位や立場が人を限界づける歴史上の文脈があるのでは。しかし、安政の大獄は攘夷派粛正ではなかったとか、西郷に征韓論はなかったという視点は面白い。江華島事件について、「天理に於いて恥ずべきの所為」と書き残している。2021/02/15

樋口佳之

25
歴史というものは「弁証法」的に展開する。/「対立物の止揚」である。戊辰戦争最大の功労者である薩摩藩兵を抑えるためには、中央政府がそれに優る兵力を持つ以外にない。しかし、「尊王倒幕・王政復古」の功労者である西郷や伊地知を除外して、中央政府が強力な兵力を持つことは不可能/二つの課題が、いわば矛と盾との関係にあることが明らかになったとき、矛盾の解決策は自ら明らか/西郷や板垣退助をふたたび「官軍」の指揮者にすることが、唯一の解決策だった/勝てば官軍では無かったのですね。この御親兵創設への話面白かったです。2018/07/04

yamahiko

17
坂野先生の新書の著作では、日本近代史に続き二冊目の読書。実証的で論理的、かつ西郷さんへの愛に溢れたとても分かりやすい著書。来年度の大河の人物像設定に妄想が膨らむ。2017/10/22

かんがく

12
筆者は西郷贔屓のため、島津久光や大久保利通に対しては厳しい。幕末の最初期から開国鎖国を棚上げにした雄藩による合従連衡を主張していたものの5年間の流刑に合い、復活後は戊辰戦争と廃藩置県においてリーダーとして活躍し、征韓論争と西南戦争でこの世を去る。右翼により理想化された西郷像を見直し、開国と議会開設を掲げた進歩派として位置付ける。西郷を主軸に置くことで単純化されがちな幕末維新期の歴史の実情がよくわかる。2020/05/31

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