内容説明
銀座は、すべてを教えてくれる――
だれもが憧れる街、銀座。そこには恋も、挫折も、野心も、生きがいもある。
なにかを期待するから、この街に男も女も引き寄せられ、なにかが起きるから、人生は彩られていく。
銀座は、何気ない日常の中の特別な舞台――。
「銀座百点」で好評連載された33のショートストーリーに、撮り下ろしの写真を多数収録。
宝石箱のような一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
122
銀座を舞台にした短編集。この街で繰り広げられる様々な人達の出会いと別れを、時に切なく時に温かく描いており、心に沁みる内容だった。これはお勧め。描かれた物語を通して銀座という独特の雰囲気を持つ街の息遣いが伝わってくる。都会的でありながら、人肌の温もりを感じさせる街でもあることが分かってくる。「ナルニア国の熊さん」では離婚して一人で子供を育てている女性が出てくる。彼女は本屋で熊のような男性に出会い、慰められる。短い時間でも心に残る出会いがある。そんな出会いを生み出すのが銀座という街なのかもしれない。2018/05/24
はれひめ
43
新橋や築地を含めての銀座をタイムスリップできる大人向けショートショート。私はリアルに銀座一丁目の奥野ビル前を通ると中を模索したくなる衝動に駆られるのだが、何故か気負ってしまいギャラリーを覗いたことがないのです。こちらにはその奥野ビルの手動昇降機も出てきます。「探しもの」で島根から孫娘を探しに上京した祖父とリストラ男の話がお気に入り。たくさん章があり飽きそうになる処で私的お気に入りの話が挟まれて無事読了。2017/04/17
こうせいパパ
30
銀座に関する短編集。自分自身は銀座に縁はないが、気楽にスラスラ読めた。ややお年を召した登場人物が多く、年配の方向けの本かと思われる。2017/04/12
コジ
29
★★★☆☆ 東京銀座を舞台にした大人のショート・ストーリーズ。末巻に登場した店舗や地図などの資料が示すとおり、銀座周辺をくまなく取材して書かれているのがよく分かる。個々の物語の舞台となった店舗でも高級に分類されるものは近寄ったことさえ無いが、周辺地域の描写や雰囲気は記憶にある「銀座」とマッチしてちょっとした「銀ブラ」気分が楽しめた。物語の方は、ショート・ストーリーの宿命なのか同じようなパターンで駆け足的な内容になりがちだが、その代わり、複雑な人物関係などは一切排除されているのでカジュアルに読める。2017/03/28
かおる
28
32話の銀座を舞台にしたショートストーリーを集めた本ですが、どの話も小洒落た素敵な話でした。すべて銀座に実在する店等を舞台にしていたことにびっくりでした。随所に写真があるのがまたいいですね。やや年配の方向けかなと思います。2019/02/20
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- 電子書籍
- 週刊東洋経済 2013年8月10日・1…