内容説明
管理職が手にする報酬5億円! 中退率50パーセント! アメリカの大学改革をまねし続ける日本の教育界はこの実態を知っているのか? 巨大格差を「再生産」する驚愕の実態を在米20年以上の現役大学教員が徹底リポート。竹内洋氏との初の親子共著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
102
2017/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。2017/4/12〜4/19アメリカの大学で教員をしている著者が、アメリカの大学の現状と問題点、良い所を述べている。最終章で、著者の父親(日本の大学で教員を勤めておられた)が、日米の比較を述べている。前々から私自身も形だけアメリカの大学を真似る日本の大学改革に危惧を抱いていたが、今回の入試改革なんかも、アメリカの悪い所を取り入れるだけのような気がしてならない。杞憂に終われば良いのだが。2017/04/19
サトシ@朝練ファイト
36
日本も学生ローンの返済でいろいろ問題になっているが、アメリカでは学生ローンの総借入額が1兆ドルを超え、2016年卒業生1人当たりの借入額の平均は37000ドルとのこと。大変ですな。2017/05/14
りょうみや
20
摘み読み。アメリカでも実用性、就職のしやすさからコンピュータサイエンス、工学、医療、薬学などが人気でリベラルアーツ、文系が軽視されていること。保守派政治家などは学生がリベラルアーツ系で「自分で考える力」「批判する力」を身につけられると都合が悪いこと。将来的な賃金はリベラルアーツ系も伸びていくことの部分が印象に残る。本書でも勧められているようにやはりダブルメジャーで理系(実用系)、文系両方学ぶのが最強だと思える。2017/02/12
軍縮地球市民shinshin
19
日本人は欧米に弱い。日本の大学改革のお手本であるアメリカの大学の内情を米国の現職大学教員が書き下ろした本。アメリカの大学は、実用的な学問がもてはやされ、文系特に文学・哲学・歴史学などは役に立たないと切り捨てられつつある。学費は日本よりも高く、卒業後も奨学金の返済に追われる。学生に媚びる教授、大学当局……。ハーバードなどの一部超エリート大学以外は経営難、潰れる大学もある。国からの助成金がカットされ学費の高騰につながる。そして研究しない教授。見事に日本の「米国幻想」を打ち砕く一冊。必読だと思う。2017/04/17
gogo
19
アメリカの大学で教育を受け教員となった日本人が、アメリカの大学の問題を論じた新書。内容はホットで非常に刺激的だった。そのうち、州立大学での教育予算カット、授業料高騰、学生のローン地獄、専任教員の漸減と非常勤講師の増加については知っていた。いっぽう、大学職員の増加による人件費の増大については初めて知った。ちなみに、米大学では管理職は日本とは違って非教育研究職とのこと。親子による共著となっているが、父の書いた第6章は、翻って日本の大学を論じるための合わせ鏡というには中途半端な記述で残念だった。2017/01/31