内容説明
東京・国分寺の古い洋館で火災が発生。鎮火した現場から発見されたのは、奇妙な隠し部屋と、横たえられた白骨遺体だった。その後の調査で、一体かと思われた人骨が、実は男性の頭部と女性の胴体が組み合わせられたものだということが判明する。刑事・如月塔子と十一係のメンバーが、事件の真相を追う! 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
目次
第一章 ヴンダーカンマー
第二章 ヘルマフロディトス
第三章 インスタントカメラ
第四章 コテージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
151
焼けた洋館で見つかった白骨遺体は、男の頭部と女の胴体を繋ぎ合わせたものだった。いったい誰が何のために? 深まる謎を尻目に、第2第3の殺人が・・。多岐にわる人物相関、複雑に絡み合う伏線、どんでん返しの切れ味、本作はシリーズ最大の正統派ミステリと絶賛された作品だ。確かに、コアなファンならいざしらず、自分には何がどうなっているのやら、ストーリーを追うのが精一杯。そしてラストの怒涛の種明かしに至っては、もはや思考放棄の体たらく。如月さん、鷹野さん、ごめんなさい。本格ミステリをなめてました。顔を洗って出直します。2019/11/18
absinthe
143
これも面白い。このシリーズはどれもクオリティが高いと思う。今回も外面上の謎は深いが明かされる種はシンプルと言う、王道のような作品。よく出来た手品のよう。マンネリ化が無く、各巻これだけ異なる雰囲気を良く出せるものだと感心する。今回は実らない恋の話。absintheは十分満足したが、ズルイという読者はいるかもしれない。主観の描写にフェイクがあるのだ。似ているわけではないが、筒井康隆のロートレック荘をちょっぴり思い出す。・・・それから一言。東京の行方不明者、20年で7人は少なすぎる。2019/02/22
nobby
134
シリーズ6作目。火災のあった洋館の隠し部屋で見つかった白骨死体、その頭部は男性、胴体は女性と分かれていて…こんな序盤から一気に飛ばす展開と、各章冒頭に誰かの日記が差し込まれる構成にワクワクは止まらない!ただ、スピード感あるままに次々と起こる事件が独り歩きする感じが否めず、どうにも本筋と絡んでこないのが難点…もっとも醍醐味である“背の小さい”女性刑事 塔子を支えるチームの温かさを安心して楽しめばいいのだ!複雑極まりない真相を「正しい紐を手繰っていけば」と解決に導けるのは間違いなく鷹野さんだけだろうなぁ(笑)2019/11/06
KAZOO
122
いつもながら面白く読ませてもらっています。もう6巻目になりました。今回は骨が出てきたりしてそれが頭部と体の部分が異なっていたりします。それに伴って殺人事件が起きて、主人公たちのグループのきめ細かな捜査が行われます。主人公の事情聴取の方法が試験されたりして成長していきます。2018/06/05
Rin
84
【図書館】自分なりに色々と推測させてもらった事件。まさしく女神の骨格だと、最後には納得させてもらった事件。主人公の如月さんの向上心、女性ならではの事件関係者への向き合いかたに成長を感じる。今回は関係者も多くて、誰が何を思って行動したのか。心の裡から湧いてくる感情をコントロールすることの難しさも感じた。きちんとコントロールできないと激情となって、行動となって誰かを害してしまう。そして、誰かを想う方法は千差万別。理解されないこともある。複雑な絡みかたをしていた事件はミステリとしてもしっかり楽しめました。2017/05/25