内容説明
私が主宰する小劇団の女優でもある妻は、女ボクサーの役づくりでジムに通ううち、ボクシングにとり憑かれた。さらにジムの会長までが、奥さんは稀なる逸材、是非ともプロになどと言い出して……。時にユーモラスに、時にほろ苦く描き出す、その戦いの日々。喜怒哀楽の人生、夫婦と家族の絆をしみじみ味わい直す中篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
27
著者は舞台の方らしく、そう言われれば、作品は舞台的印象です。スポーツの中でも、ボクシングは、男っぽい世界ですが、タイトルにあるように、女性、それもママが主役です。トントンと話がテンポよく進む中で、家族の物語でもある事に気がつく。盛り込みすぎかもしれないけど、面白い。2016/12/04
keith
24
40歳の女優でもある二児の母が、役作りからボクシングを始めるが、秘めた才能が開花し世界戦を闘うことになる。という、なんやらすごく面白そうな設定でワクワクしながら読みはじめたのですが、夫からの視点の物語で、エンタメ度がすごく控えめな家族小説でした。表紙からもコミカルなスポ根モノだと勝手に期待してたので残念でした。2016/08/27
はじめさん
23
ボクサーを志すも道断たれ、その経験を俳優に活かし、いまは脚本・演出などをこなす男。かつての仕事仲間であった女優と結ばれ、二児を設けた。勝てない女子ボクサー役を妻にやらせてみたら、のめりこむタイプゆえ、妙にサマになり、地方巡業で単独3ヶ月家を離れて家に戻ってきたとき、バッキバキにビルドアップされた40歳の妻! ジムの会長は100年に1度の逸材と絶賛し、将来有望と目される若手ボクサーも瞬殺。年齢制限も特例解除でプロ試験の誘い。アッパーで登竜門を突き破れ。/ 旦那は作者の投影なんだろう。実際の奥さんは果たして?2017/05/23
信兵衛
22
妻の猪突猛進というべき奮闘と、指を咥えて見守るしかない夫の取り合わせが愉快で、かつユニーク!2016/09/25
reo
17
ママが3ヶ月の児童劇公演から帰ってくる。玄関のチャイムが鳴り「ただいま!」とママの声。勢いよく開いた扉の向こう側には、筋骨隆々の女がピンクのバッグを提げて不気味に笑ってた。私たち親子は目を丸くした。鳩が豆鉄砲をくらうとはこのことかと。「児童劇の公演はたいがい午前中でしょ。後はずっと暇なんだ〔中略〕だからダンベルトレーニング三昧なわけ。すごい効果なんだって」こんなハチャメチャなエピソードが何とも言えず面白い。この本を食い物で表現すると。『あべのたこやきやまちゃん』のメッチャ美味しいたこ焼きを食べた気分。2017/07/27
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