内容説明
私、峯悦子31歳。OLをやめて今少女小説を書いている。23歳の入江類と同棲に似た生活をしている。彼は幼くして母を亡くし、父は別居結婚をしているという。熱烈に私を慕うのだが仕事は長続きせず、大学中退からはじまって、何でもチュータイスト。やがて類の父と知り合うようになった私は、その優しさに触れ、大人の包容力に惹かれていく。一夏の間に揺れ動いた微妙な女心。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かすみ
2
田辺聖子さんのものの書き方が好きです。ストーリーもこの本は入り込めた。切ない女の葛藤、不安。読んでいて昔の自分を見てるようで哀しくなる場面もあった。2024/09/22
けいちか
0
書かれた時代も感じるものの、人間関係は時代には関係ないんだなと再認識した。2012/09/29
雛
0
切ない20代の私が甦ります。好きだったなこの話。
K
0
23歳の可愛い男の子、類と付き合っている31歳の女性作家。 物語の前半は類も飽きっぽくて根性がないけど可愛げのある若者で、しょうがないなと思いながら読んでいましたが、後半では人様のお金に手を付けて逃げたり、若い女の子にちょっかいかけたり、どうしようもない人間だなとがっかりしました。 最後に類のお父さんと付き合う選択をしなかった主人公に強さを感じました。2022/02/12
ポポ
0
初田辺聖子。読み始めは、なんか文章下手やな~、という感じだったが、読み進めていくうちに、これは、人間観察、人生経験深い人じゃないと書けないなー、と思うキラリとした文章があちこちに出てきて、知らず知らず引き込まれて行った。なるほど、これが田辺聖子か、軽い語り口なのに、書かれていることは結構深い。人物描写も説得力がありリアルに映像が目に浮かぶ。2020/07/20