内容説明
人は宇宙を知るため、数限りない挑戦を続けてきた。太陽中心モデルを作り上げたアリスタルコスから、相対性理論のアインシュタイン、宇宙誕生の瞬間を発見したNASAに到るまで。決闘で鼻を失った天文学者がいた。世界トップクラスの天体画像分析チームを率いた「メイド」がいた。数々のドラマの果てに、ついに科学者たちは……。人類の叡智の到達点を、感動的に描く圧巻の書。『ビッグバン宇宙論』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
456
実に面白かった。しかもエスプリも効いている。なにしろエピローグの最後がこれだ。「神は天地創造以前に何をしていたのか?神は天地創造以前に、そういう質問をするあなたのような人間のために、地獄を作っておられたのだ。」本書は、タイトル通りに宇宙創成を語るのだが、それに際して最も優れている点は、思い切って数式を廃したことだ。なかなか、できることではないと思う。また、真理の探究とともに、優れた人間のドラマとなっていることも特筆すべきことだ。その中では、私は敗者の美学というか、ホイル、アルファーにことさら魅かれた。2018/10/04
三代目 びあだいまおう
288
宇宙の始まり『ビッグ・バン』証明への壮大な旅を読了しました。小生の、宇宙や相対性理論等に抱いていた疑問(頭の中で辻褄が合わない部分)の多くが納得に変わった。天才達の類いまれなる探究心に基づく疑問→仮説→検証のサイクル。永遠とも思われる挑戦と挫折の繰り返し。このおかげで現代の我々は様々な『真理』を机上で学ぶ事ができます。ホント難しい事を解りやすく説明できるって凄いこと、有難いです。興味はあれど上下巻の量に怯む場合、本書『エピローグ』の約30頁を読むだけでも面白い!知的好奇心、大いに刺激してくれました‼️🙇2020/04/28
KAZOO
167
ビッグバンの宇宙論が下巻は中心です。サイモン・シンの著書というのは暗号解読にしてもこの本にしても本当に知的好奇心を満足させてくれる本だということです。しかもわかりやすく説明されているので最新の状況がよく理解できます。結構内容的には高度だと思われるのですが、あまりそう感じさせないところがすごいのでしょう。経済学のサムエルソンもそうですが。2016/11/18
修一朗
139
いやぁ下巻も面白かった!下巻はビッグバン理論と定常宇宙理論との論争を詳しく描かれている。ビッグバン理論が提起され定着するまでにはこんなに多くの時間と人をかけて論証を積み上げてきたのだ。ビッグバン理論は宇宙背景放射が観測されたあとも宇宙の元素比や重い元素の生成過程,CMBの揺らぎ観測プロジェクトなど,壮大な検証を経て完成した至宝とも言うべき理論であることを知って感激だ。難しい理論検証の経緯を,科学者達の挑戦の歴史に編纂しているサイモン・シンさんの文章は実に素晴らしい。早速次の作品読みます。。 2019/08/21
ehirano1
132
サイエンスなのになんだか感無量感がありました。しかしビッグバン理論もまだまだ課題を残しているところが「まだまだ我々が知らないことがある(=新しいことを知る機会がある)」ということで嬉しかったりもします。2022/07/03