内容説明
「本当は恐ろしいグリム童話」などで著名な作家・桐生操が、ヨーロッパや宝塚歌劇団などで人気のある「エリザベート」(19世紀、16歳でオーストリア皇后になり、旅のはてに暗殺された皇妃)を、新解釈し書き下ろした野心作。その数奇な運命と、オーストリア皇帝・フランツ・ヨーゼフと、ルートウイヒ2世というふたりの男たちとの葛藤、息子ルドルフの自殺、暗殺までを、「生身の女」として小説に書き下ろす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
88
エリザベートの史伝と思っていたら小説でした。世界史的に知らないエピソードが多く盛り込まれているのが小説ならではの創作なのか史実をベースにしているのかわからないところが多々。正直この本でエリザベートを知ることは難しいような気がします。物語としては面白いと思いますが。2017/05/14
rizu
9
オーストリア皇妃エリザベート。旅行中襲われて亡くなる悲劇の人。彼女がこんなにもハンガリーを愛していた事を初めて知った。ウィーンの宮廷での確執や愛息の死など悲劇的な事は多くあるが、それでも幸せな人生を送られたと思いたい。2017/10/11
m
4
今まで読んだエリザベートの本の中で一番読みやすく分かりやすかった。ルートヴィヒ二世のことも皇太子ルドルフのことも詳しく書いてある。自由を求めるシシィの魂、変死する家系。最愛の妻がこの世を去っても、いつもと変わらず皇帝の公務を粛々とこなすフランツが切ない。2019/06/12
fukufuku
3
ずっと「そのうち読むか」と思っていた作品。 昨年末から第4次(5次かも)エリザベートブームが私の中に涌いてきたので、このタイミングて読むことにする。 読みながらずっとミュージカルナンバーが頭の中に流れていた。 後半、急にポエムだらけになってちょっと読むのがきつい部分もあったが、シシィの死への渇望や王室の一員とは言い難い精神を示すのには仕方ないのか。2023/02/04
かよこ
3
偶然手に取った本。珍しいジャンルの本を読んでみた。全然馴染みのないオーストリア皇妃の話。意外と面白かった。エリザベートの人生も壮絶だけど、ワーグナーを擁護したバイエルン王ルートヴィヒの人生が凄いな。今度はルートヴィヒの本を読もうかな。一人息子が心中した結果オーストリア皇太子になった甥っ子フェルディナントの暗殺で、第一次世界大戦が勃発するんだね。時期も幕末の頃だけど、ヨーロッパ情勢も、こんなにダイナミックだったんだね。昔授業で習ってるはずだけど、一切身についてない自分にびっくり(@ ̄ρ ̄@)2020/03/19