内容説明
歴史の旅に発見あり!
「半島は陸のどんづまりだけども、海の玄関口でもある」――。明治に鉄道が開通するまで、わが国の物流を担っていたのは海運だった。物流の集積地である半島の港には、物があふれ、人々が集い、あらゆる情報が飛び交った。 だからこそ、歴史は半島で動いた。 信長が初めて鉄砲を使用した桶狭間6年前の合戦(知多半島)、鑑真やザビエルが上陸した世界に開けた港(薩摩半島)、戦国屈指の山城を擁した城下町(能登半島)、本能寺の変の司令塔が置かれた「鞆幕府」(沼隈半島)、頼朝、早雲、江川英龍と歴史を転換させた韮山の地(伊豆半島)、信長の天下統一戦線を水軍で支えた九鬼一族(志摩半島)など、
直木賞作家・安部龍太郎氏と歴史学者の藤田達生氏が半島を丹念に歩き、海と陸の接点から日本史を捉え直す意欲作。創刊27年の月刊誌『サライ』の大好評連載が待望の単行本化。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クサバナリスト
11
懐かしい沼隈半島、鞆の浦。福山市に合併される前に何度も行った場所だが、当時は史跡に関心がなかったので、本著で紹介されている場所で行ったことのあるところは数ヶ所のみ。勿体ないことをした。次巻も期待したい。2017/01/22
ピンクピンクピンク
8
作家安倍龍太郎氏と歴史学者藤田達生氏が旅した6箇所の半島。何れも海運水運が物流の中心であった頃、歴史の動きの中心となった場所。一番見てみたくなったのは九鬼嘉隆中心に語られた志摩半島、絶海に残る波切城跡は是非見たみたいです。九鬼嘉隆大河ドラマで取り上げて欲しいなあ…。そして家のお墓がある能登半島、その歴史を知れて楽しかったです。最後に沼隈半島、この章で最新の研究発見と共に語られる、鞆幕府と本能寺の変四国説が読み応えがありました。2017/06/21
鬼山とんぼ
5
安部作品全巻読破までもう少し。傑作の『等伯』は能登出身者で、長年のコンビである西のぼるの挿画がなければ日経連載中あれほどの感興を齎さなかったろう。能登半島の章は珠洲市出身の西さんも同行したが、大震災の直後だけにページを繰るごとに胸が痛んだ。しかも娘の西絵美さんが珠洲焼の作陶家であるとも知り、なおさらだ。その他の章も、文献重視では辿り着くのが難しい、安部氏独特の経済・人脈・情報を重視する史観や洞察が窺え、一方で同行者の藤田達夫教授の見解でも補強され、充実感のある読書になった。2024/03/12
ドラ55
2
半島に注目した歴史本。広島、沼隈半島編の本能寺の変の話しなど、なかなか興味深かった。2017/01/07
愛理ちゃん88
2
「司馬さんは偉大なお仕事をされたけど、もうそろそろあの史観を超えないとね」「司馬さんの仕事との中では『竜馬がゆく』と『街道をゆく』が一番面白いという話になった」期待して本著作を読んだが、『街道をゆく』は超えていないかな。2016/12/24
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