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内容説明
数学教師として勤務していた中学校を失踪して15年。網走(北海道)から尾道(広島県)まで、記憶を呼び戻しながらかつて失踪した道のりを旅して過去にけじめをつける漫画。『くも漫。』前夜を描いた実録コミックエッセイ。
現実からいつも逃げてしまう人も、逃げたいのになかなか逃げられない人も、逃げることなく頑張ってきた人も。
◆著者略歴
中川学(なかがわ・まなぶ)
1976年北海道生まれ。大学卒業後、小中学校の臨時教師や様々なアルバイトを経験。2011年、漫画家志望の若者に格安で住居を提供するトキワ荘プロジェクトに応募して上京。デビュー作『僕にはまだ友だちがいない』(メディアファクトリー)がNHK「青山ワンセグ開発」で実写ドラマ化(主演:浜野謙太)。その後、『群馬県ブラジル町に住んでみた』(メディアファクトリー)のほか、2015年に自身のくも膜下出血体験を描いた壮絶実録漫画『くも漫。』(リイド社)を発表し各方面で話題を呼ぶ。「マンガHONZ超新作大賞2015」では『くも漫。』が第7位を受賞。社会の最下層の更に下をいく漫画家として日々奮闘中。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
20
著者が中学教員時代に、パンクして失踪した当時を振り返ったエッセイコミック。印象度B+ 中川学のエッセイコミックは、デビュー作からほとんど読んでいる。なぜかというと、その「ダメ人間」ぶりがとても他人とは思えないからである。間違いなく私と同類なのだ、この人は。で、今回は失踪。 9.11事件に世間がわいた当時、仕事のストレスにより失踪。宿のドアノブで首を吊ろうとするも大事に至らず(よかったね)、東京の弟の元にいく。弟さんは弟さんでできた人でよかった2022/02/10
まつじん
9
人生ツラいね、前向きに生きられない時にどうすれば良いか簡単にわかれば良いのにね。2019/01/26
めぐみ
6
著者は真面目で素直というか、色々なことを真に受けてしまうタイプだったのかなと。でも吉本隆明の本を真に受けて漫画家になれたのであれば、結果オーライ?2018/11/17
ままくー
4
教員になったものの色々うまくいかなくて失踪しあちこち訪問。そのときの行動を今振り返る。これは絶対病院行ってよかったぐらいの追い込まれっぷり。そんな状態でも自力でなんとか現状から脱せるんだから、人との出会い、人間の考え方、よくできたもんだ。「一度逃げたらかならずまた逃げる」論は正しいのだろうか。著者は一度は部活や顧問から逃げたけど、転部先の部活も辛くてもやり切っていた。「一度逃げたらまた逃げる。が、逃げなかったからといってまた逃げない、とは限らない」ということなのだろうか。「逃げる」人だけに厳しいな...2019/06/27
古泉智浩
3
過ぎ去った過去のことならそのままにしておきたいと思うのだが、作者はつらい過去と正面から向き合おうとする。そんな苦行をさらに漫画で表現するという更なる苦行ぶりがすごい。読んでいて息がつまりそうだった。 中学の厳しい先生が、厳しいだけの一面では描かれず、暖かいところやかっこいいところなど、あこがれていたところなども精緻に気持ちを表現していたところがすばらしかった。 息苦しさの表現が、空中に浮かんだ手首に首を絞められているなど、すごいビジュアルセンスが随所に感じられた。2018/04/23