内容説明
暴走するアメリカ民主主義──その「原型」はハリウッド映画の中にあった! 「トランプ現象」は突然起きたものではない。それは言うなればアメリカ建国のときからの「病巣」であり、それを誰よりも鋭く見抜いていたのが映画人たちだったのだ。いま、映画を語らせれば右に出る者はいない町山智浩がその蘊奥を尽くして語る「映画から見たアメリカの病理」。その深層に触れたとき、あなたはきっと戦慄するであろう。ハリウッドが封印しつづけた米国の恥部とは? 映画史上最高の傑作がKKKを蘇らせた? ディズニーが東京大空襲をけしかけた? トランプは60年前に映画で予言されていた? 映画評論家町山智浩のライフワーク、ついに結実!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
65
「この世界の片隅に」では、昭和19年に広島から呉に主人公すずが嫁ぐ。この設定なら原爆投下を出さないわけにはいかない。ところが、「フォレスト・ガンプ」のアラバマにはキング牧師も黒人への凄まじい弾圧も出てこない。また、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するダウンタウンは、白人が郊外に移転し、黒人によりスラム化される前のもの。このように映画の時代設定には意味とメッセージがある。映画の歴史には時代を上書きしたものや欺瞞や差別に満ちているのに後世の手本になる技法を確立したものがある。観る側の力量が問われる。2017/04/10
ばんだねいっぺい
39
映画の中に暗示もしくは予見されていても防ぐことができなければ空しい。日本はどうか。2016/11/14
Mayumi Hoshino
31
映画の手法のパイオニア的作品「國民の創生」が描いた世界は、歴史がねじ曲げられ、差別的な目線に満ち、KKKを復活させるようなものだった。ディズニーが〈空襲ノススメ〉みたいな映画を作っていた。「フォレスト・ガンプ」が意図的に描かなかった歴史とはーーなどなど、今は問題視されておいそれと観れないようになっている作品も含め、アメリカの闇や欺瞞や恥が描かれた映画を紹介した一冊。自分の思う正しさによって、簡単に他者を裁いて傷つけることの傲慢さを思う。描かないことにも真実は宿る。2016/12/24
活字スキー
28
『映画の見方がわかる本』以上にマニアックなセレクトで、「アメリカの恥部」を描いたアメリカ映画の数々を解説。人種差別、資本主義、戦争、カウンターカルチャー、ノスタルジー、ポピュリズム、新保守主義、反知性主義。よくもまあ、建国以来これだけヤンチャの限りをぶちまけ続けてきたものだ。受け継がれる歴史。改竄され、消し去られる歴史。変わらないのは、人間という存在だけか。2018/02/06
たらお
28
町山さんの映画評論は情報が多彩で面白く読むことが多いのだが、映画をとっかかりにしてアメリカの歴史を語るとなると、映画のチョイスがどうしても面白い映画になるとは限らないことと、映画と絡めることでアメリカの歴史が線で繋がってこないことから、どうにも読みにくい。「國民の創世」が芸術的だが最悪な映画でKKKを美化して蘇らせたという話だとか、白人至上主義という言葉を現在も聞くにつれ、アメリカの人種差別の根深さを感じずにいられない。2017/08/29
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