内容説明
「世界一貧しい大統領」と呼ばれたムヒカ氏については「貧乏を肯定する幸福論」が注目されるが、それは一面にすぎない。政治哲学・業績を紹介しながら大統領に選ばれた意味を考える。また現地での単独取材に成功。ムヒカ氏が本当に日本人に伝えたかったこととは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
47
モノを買うとき、人はカネで買っているように思うだろう。でも違うんだ。そのカネを稼ぐために働いた、人生という時間で買っているんだよ(4-5頁)。必要最低限のモノだけを持ち、ライフスタイルを見直していこう(44頁)。ミニマリスト(167頁に著者も指摘)礼賛かな。著者は、ムヒカ氏が歩んできた変革者としての厳しい人生を振り返ったとき、もっと社会とのつながりや、世代を超えて何かを伝え、残したいという思いにこそ、幸福の真骨頂があるという(45頁)。生きるということは、周囲との摩擦を生むということであり、2017/07/13
りるふぃー
13
思わず目頭が熱くなる。ムヒカ氏は、貧乏なのではなく、人生を幸せに身軽に歩き続ける為に、必要最低限のものしか持たないようにしているだけ。持ち過ぎているものは、社会や地球に還元し、何百年先の未来のことを考え、使命感を持って動いている。日本の上層部は、欲張って、持ちきれないほどの富や肩書きを抱え込んでいる。握りしめたものを離したほうが、幸せになれるんだ、きっと。国民達は、気付き始めている。ムヒカ氏のように、国民と同じ目線に立たないと見えてこないものはたくさんある。2021/10/14
Moeko Matsuda
9
思っていたより読み応えがあった。過日、東ティモールに関する映画を観た後だったから、彼が元々はゲリラだったということについて、並々ならぬ切実さを感じてしまった。この状況になって、この本を読んで、やるせなさ以外に、ほとんど何も感じることができなかった。2022/09/14
いっち〜
7
まず、ホセ・ムヒカ氏の言葉は素晴らしかったし著者もムヒカ氏のことをしっかり下調べしているのはわかった。物的豊かさの無限の追求に警鐘を鳴らし、本当に必要な物だけで慎ましく生きることや、家族や友人との時間を大切にすること等、成程世界レベルで反響と共感を呼ぶのも尤もだと思う。この人は、政治家というよりは思想家なのだと思う。ただ、この本はムヒカ氏以外の要素が多すぎる。ウルグアイの政治史や体制等はまだわかるけど、日本の地域の事例紹介になったときには思わず書名を見直した。私は、ムヒカ氏についての話が読みたかったのに…2018/10/09
ワッピー
7
ムヒカ本の2冊目。ウルグアイの政治史と、そこからどうやってムヒカ属する拡大戦線が政権を取るに至ったかをわかりやすく示してあります。政治家としてよりも、思想家・行動家としての存在感のほうが大きいようです。貧しいこと自体には価値はないと思いますが、自分のできる範囲で他の人に何かを残していくという発想は本当に頭が下がります。日本の学生に対して「自分たちは現状を変えられる」というメッセージは、どこでも通用するものであってほしいと思います。2017/03/25
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