内容説明
中世の真っ只中、閉ざされた一文化圏であったヨーロッパが、突如として「離陸」を開始する12世紀。東方からシチリアへ、イベリア半島へ、ギリシア・アラビアの学術がもたらされる。ユークリッド、プトレマイオス、アル=フワーリズミーなどが次々とラテン訳され、飛躍的に充実する西欧の知的基盤。先進的アラビアとの遭遇が生んだ一大転換期を読む。
目次
学術文庫版への序文
第一講 十二世紀ルネサンスとは何か
第二講 十二世紀ルネサンスのルートと担い手
第三講 シャルトル学派の自然学
第四講 シリア・ヘレニズムとアラビア・ルネサンス
第五講 アラビアから西欧へ
第六講 シチリアにおける科学ルネサンス
第七講 ロマンティック・ラブの成立
参考書目
あとがき(原本)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
西洋中心の歴史に慣れてしまっている自分にはかなり斬新な内容です。すべて正しいとは思いませんが、違う視点から歴史を読めて楽しかったです。2025/10/16
塩崎ツトム
19
12世紀における、文化後進国だった西ヨーロッパが、いかにしてアリストテレスやユークリッドといったヘレニズムの優れた書物を獲得するか。両者の出会いはスペインの古都トレドやノルマン朝シチリア王国だったが、じゃあその前は、シリアでビザンツで、ダマスカスで、カイロで、一体どんな胎動があったのか?2025/08/24
サアベドラ
13
翻訳を通したギリシア・イスラム文明の吸収、という側面に焦点を当てた十二世紀ルネサンス論。著者は中世科学史家、文献学者で、中世におけるエウクレイデスの受容で博士課程を取得。カルチャーセンターの講義を元にした本なので読みやすいが、その分、全体的に論証があまりよくなされておらず、著者の専門の話をしている第5,6章以外は正直言ってあまり信用できない。欧米の学者は中世ヨーロッパ文化におけるイスラム文明の貢献を過小評価している、と著者は指摘するが、一方でこの著者はイスラムの役割を過大評価しているように思える。2015/03/19
ああああ
12
数字はなぜ「アラビア数字」と言うのか。野蛮なフランク達が西欧の文明となるまでには、数字、哲学、医学、全てをムスリム世界から学ぶ必要があった。その経緯と考証を分かりやすく説明している。とはいえ、世界史の教科書でチラとお見受けしただけの偉人と著書のお名前を、雨あられと浴びせられて脳みそがとろけた。西欧は「ロマンティック・ラブ」の概念も輸入した、と述べる最終章にびっくり。確かに近代以前の日本でもラブの地位は無いに等しいよなあ、あれはペルシアあたりが発祥なのかしら。2015/12/10
mob
9
純愛も哲学も科学も、みんなイスラムから教わった。……先に新書で出ていたらそんな副題がつきそうな本。 実はイスラムの影響がなければ女性はずっとモノ扱いのヨーロッパ。騎士道の女性崇拝に夢を見てイスラムを嫌悪するタイプの人々にこそ知ってほしい愉快な真実がここにある。 ただし著者は科学史が専門なので、その部分の講義についてこられた人だけに語る構成が勿体ないというか、学者らしいというか。 2021/01/26
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