内容説明
明治時代、日本の招きにより、近代化の指導者として大勢の欧米人が渡来した。その国籍は英、米、独、仏等にわたり、活躍の場も政治、法制、軍事、外交、経済、産業、教育、学術と多岐にわたった。日本での呼称そのままに、自らをYATOIと称する彼らが果たした役割はいかなるものであったか。日本繁栄の礎を築いた「お雇い外国人」の功績をさぐる。
目次
まえがき
はじめに──グリフィス文庫をたずねて
第一章 お雇い外国人のおこり
第二章 功績を残した人びと
第三章 生活とその周辺
第四章 日本の近代化に与えたもの
おわりに
学術文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月世界旅行したい
12
無駄にながくなく、簡潔にまとめられている。2015/04/05
Mizhology
5
モースとベルツの人柄にもっと触れてみたくなった。日記が幸い出版されてるので読もう。OYATOIだった人達も20代だったりと、今では考えられないいろんな環境に驚きました。2014/01/05
さんとのれ
4
己の社会の変革と、不平等条約解消という対外的問題を抱える幕末から明治にかけ、この弱々しく危なっかしい時期に、時には日本人以上に日本のことを思いながら導いたお雇い外国人と、国のために勤勉に学んだ日本人。この両者によってなされた日本の近代化は、歴史上でもちょっと珍しい現象でしょうね。それにしてもこのころの日本人はダイナミックだ。2013/10/16
壱萬弐仟縁
4
国際協力の視点から、日本の近代化を外国人のサポートを得ながら果たしていく道筋がわかる。教育面で、モルレーが、①国民性に適した教育制度、②国民一般の教育を目的とし、③女子教育も男子教育と同様に重視する、④教育は実際的、訓練的であるべき、⑤教育施設の必要なもの(150ページ)と提起している。今、日本は3.11後の社会構想に苦悶しており、人口減少社会の経営を考えるときにある。ひとづくりがくにの根幹にあるなら、モルレーの指摘も今日的意義があり、たとえ、少子化でも担い手をしっかり確保することは必要に思う。2012/07/04
おこめさん太郎
4
参考文献でよく出てきたので読了。お雇い外国人の基本的性格や代表的な人物の功績、僅かだけれど課題も提示されていて入門書としては最適だと思った。2011/11/01