内容説明
作家・又吉直樹の「俳句の師匠」による歳時記ワールドへようこそ。
あなたの言葉のセンスが一変します!
「わたしは暦とともに生きていますから……」
が口グセの謎の先輩と、ちょっと冴えない男子君が繰り広げる
季節感いっぱいの“風流”青春ストーリー
【著者紹介】
堀本裕樹(ほりもと・ゆうき)
俳人。1974年和歌山県生まれ。「いるか句会」「たんぽぽ句会」主宰。國學院大学卒。
第2回北斗賞、第36回俳人協会新人賞、第11回日本詩歌句随筆評論大賞、2015年度和歌山県文化奨励賞受賞。
2016年度NHK俳句選者。東京経済大学非常勤講師。
著書に句集『熊野曼陀羅』、小説『いるか句会へようこそ!』、『十七音の海』、『富士百句で俳句入門』、
漫画家・ねこまきとの共著『ねこのほそみち』、又吉直樹への俳句入門講義をまとめた『芸人と俳人』などがある。
石川ともこ(いしかわ・ともこ)
イラストレーター。 東京生まれ。 セツ・モードセミナー卒業。
1990年ターナーアウォード優秀賞。 97年扇子絵コンペ下谷二助賞。
98年第103回ザ・チョイス入選。 99年PATER大賞展PATER賞。
2005年第1回ほぼ日マンガ大賞入選。日本図書設計家協会会員。
14年温泉ソムリエ認定。
【目次より】
[プロローグ]最強の雑談データベース
◆春◆暦とともに生きる謎の先輩がやってきた
◆夏◆雨にも雲にも豊かな表情がある
◆秋◆台風にもマケズ、残業にもマケズ
◆冬◆季節の言葉でお客様をおもてなし
[エピローグにかえて]こよみの打ち明け話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆうpanda
44
この本を読んで雑談の達人になりたいと思った人には不満が残るかも?『歳時記』を初心者向けに解りやすく紹介した本。風流人の俳句先輩と無粋な現代っ子の男子くんの軽妙な会話で、季語が四季の中にどう織りこまれているかが分かる。夜のドラマの後の五分くらいの番組によさそうな内容。ただ扱っている季語はまあまあ有名で、「へー」は少なかった。『歳時記』一冊持っていればもっと分かりやすくて「へー!ほへー!」だらけだからね。男子くんと女子ちゃんの恋の行方と猫のこよみちゃんの肉食系なところをもっと掘り下げてくれたら楽しかったかな?2016/12/13
田中寛一
18
雑談の中に俳句のことがどのように描かれるのかと期待して読む。期待はちょっと裏切られたかな。でも日常生活の中に気づかずに使っている季語もたくさんあることがわかった。少しずつでも別の言い回しができるようになりたいものだし、季語に含まれる意味を理解していきたい。2018/03/22
ままこ
12
素直で感化されやすい『男子君』と、暦とともに生きている『俳句先輩』の会話から、日常的に使用する言葉が俳句の季語になっていることが分かりサラッと読める。意外な言葉が俳句の季語として使われていたりと雑学として楽しめた。『こよりちゃん』が素早くバクバクと虫をワイルドに食べるシーンはうちの猫とオーバーラップしてしまった。2016/12/15
量甘
11
俳句先輩と男子くんの会話から自然に「季語」に親しむことができる物語。物語の中の会話に出てくる「季語」を知ることで、日本の豊かな四季の移ろいを感じながら日々過ごしていることに改めて気付く。挿絵も素敵でした。猫のこよみちゃんが可愛らしい♪2019/11/26
りょちみ
9
男子くんと俳句先輩が中心に四季を通じて過ごすお話です。歳時記に乗っていない季語がたくさん出てきて勉強になります。俳句先輩は会話の随所に季語を織り交ぜて会話するちょっと変わった先輩。でもこんな先輩がいたら話に美しさや彩が増えそうです。2018/11/10