内容説明
岡山・倉敷の美観地区、その外れに佇む古書店「蟲文庫」。10坪にみたない店内には古本と一緒に苔や羊歯のグッズが並び、亀などの動植物がいて、時には音楽イベントが開かれる。知識、予算なしからの開業奮闘記、人と本のつながりが生んだ思いも寄らない出来事、そして偏愛する苔の話まで。ユニークな古書店の店主が、帳場から見た日常を綴る。増補して文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
71
倉敷・蟲文庫で購入。20歳台で古本屋を開店してから今年で25周年。びっくりするほどもうからない仕事、ぎっくり腰になって一人前という程きつい仕事、古本屋くずれという言葉を聞かない程、イソギンチャクのようなじっとしている生活も、「やめようとおもったことがない」程楽しく続けているのが文章から伝わってきて、お人柄やお店の雰囲気も落ち着いている。苔と歩く・本の虫の本など読んだけど、小学生の頃は感想文も3行位だったエピソードも意外でした。解説であるように「本屋は本を売るのではなく、やはり自分を売る商売なんだと思う」2019/08/31
コットン
71
倉敷の古本屋さんの本。…と言うより根っから苔が好きで、苔系の本や苔・胞子のアンソロジストでもあるという素敵な人の本!2017/12/14
いちろく
49
胞子文学名作選で著者名を知り、倉敷を訪れる度に行く場所の一つになった蟲文庫。だからこそ、著者自身の過去や蟲文庫の歴史を知り驚く事が多い内容だった。エッセイが面白く、そして恐いと感じるのはこんな時。作品を通じてイメージしていた著者とエッセイを通じて経験談を知った後の著者。同じ著者である事は変わりないのに、知る前と知った後では違う。それでも、蟲文庫は私が好きな古書店の一つである事は変わりない。倉敷に行くとまた訪れたくなる。 2019/02/04
ちいらば
43
全く気負いが感じられない。ただただ自分ができる範囲のことを事をコツコツこなしていく。真面目に、そして自分に正直に生きているんだなぁと思う。そんなとても素敵な店主のいる蟲文庫にぜひ行ってみたい。2016/09/27
ばんだねいっぺい
35
ちょっと、そっけないような書きぶり。店主の人となりが出てるのかなと思ったり。むしろ、このちょっと引いた感じが心地いいのだろうなと思って、蟲文庫へ足を運びたくなるが、遠い。2017/08/23