内容説明
生と死の臨界に迫る傑作伝奇ミステリー。旧盆の十三夜、出羽三山の霊峰月山(がっさん)の頂から麓に連なる迎え火。即身仏(ミイラ)取材で帰省した工藤の友人正志は、古来の採燈祭(さいとうさい)復活に奔走していた。だが工藤の父親に続き、正志も闇の中で襲撃される。もう1人の同級生由香は工藤に、鬼から村を守ってきた一族だと明かし、「祭を止めて。ソ乱鬼(そらんき)が降りてくる」と告げた。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
69
熊谷さん8冊目。東北が舞台の伝奇ミステリー。な、長かった。ホラー小説と割りきって楽しむには下地が仔細に描かれているので、現実的に捉えてしまい荒唐無稽な話に思えて入り込めなかった。オカルトといった方がしっくりくる。古代史などの背景も丁寧なのだか、興味が持てず読み飛ばすことしばしば。熊谷さんごめんなさい。民俗学や伝奇小説に興味がある方は楽しめそう。解説にある『邂逅の森』の直木賞受賞日の模様が面白かった。熊谷さんと同じく仙台在住の伊坂さんは飲み仲間だそう。2016/09/06
James Hayashi
34
背中がゾクゾクする程の恐怖感と面白さを前半に感じたが、中程からは即身仏ミイラ、怨霊、麤乱鬼(そらんき)などの言葉とともにオカルト系の読み物と化していった。先日読んだ「逆説の日本史」の世界観も感じられるが趣向が合わない。直木賞受賞の前の作品ということで完成度は高いとは言えない。2017/06/11
福猫
30
何だかな~。ものすごく手古摺った。元来オカルト物はあまり好みではないし…。蘇我氏物部氏辺りまで風呂敷は広げられ、壮大な割にはラストあっけなさすぎだし…。何よりも女性キャラに魅力がない。終始胡散臭さプンプンで、こんな女に良いように転がされる工藤って馬鹿?と疑いたくなる。邂逅…相克のイメージで期待しすぎたというのが正直なところ。やぱり熊谷さんは、動物ものの方が良いわ。新作オオカミに期待することにします。2013/07/21
カムイ
29
熊谷達也初のホラー伝奇、山形県の霊山湯殿山で十三夜に迎え火が行われる、霊山の歴史が克明に描かれ興味深かった、★は4点2019/06/17
hrmt
29
熊谷作品といえば、クマ‼︎マタギ‼︎と認識していた私にはビックリな伝奇ホラーだった(^_^;)東北の霊山を舞台に古式ゆかしい盆行事である迎え火で、死者の魂とともに鬼が降りてくる⁉︎土俗的信仰と慣習を絡ませ、その因果は飛鳥時代まで遡る。全く見えず感じずの私には、死霊も背後霊もいまいちピンと来ないが、遥か昔から人には憎しみも怨みもあっただろうことは想像できる。けれどそれをまた怨念にしてしまうのも人間なのだろう。大いなる自然と共生しその神秘と恵みを享受して、それだけでは飽き足らない人の業を垣間見た気がした。2018/05/31
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