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内容説明
文学批評という行為の可能性を探る評論集。小林秀雄、花田清輝、吉本隆明、江藤淳、蓮實重彦、柄谷行人など戦後を代表する9人の批評家の足跡を俯瞰し、批評の可能性と不可能性を探る野心的評論集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
79
試し読みで気になり取り寄せ。ざっと読み。代表的な9人の文芸批評家を取り上げ、文芸批評というものの意味合いとそれぞれの取り組みを描く。小林秀雄の難解さや問題意識についていろいろ唸る。正しいよりも、それぞれの「間違い」があるがゆえの魅力があり、それが彼らの「宿命」だとする。様々な間違えた魅力があり、個人芸としか言えない、文芸批評というジャンルの行く先に疑問も持ちつつ、味わおうと思う。2019/01/25
mstr_kk
4
再読。日本の重要な文芸批評家を9人とりあげ、彼らの危機感覚、宿命、「私」のあり方を、高い密度で、しかも分かりやすく論じている。面白いし、教えられることばかりなのだが、なんだかすさまじく不毛な本でもある気がする。どの章も、「対象の独自性→致命的な問題点」という順に話が進むので、批評のむなしさが強く印象づけられるのである。2013/08/01
halow
1
柄谷行人が自身の仕事から文学を切り離す数年前に書かれた本だと気づき、なるほどと思うところがあった。2024/10/07