内容説明
史上最悪の殺人鬼を生んだ、貧しくて冷たい月の光。もう、人間には戻れない――。韓国全土を震撼させた、未曾有の連続殺人事件をモチーフに描く、あらゆる禁忌を犯した男の憎悪と狂気。岩井志麻子、渾身の新・代表作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
46
お気に入りさんに教えて頂いた小説。韓国で起きた連続殺人事件を題材にしたフィクション。臭いさえ漂ってくる程の残虐さが淡々と綴られる殺害場面。その文章に、犯人に、どうしようも無く惹かれてしまうのは、暗く冷たく光る月のせいなのか。後半での事件と犯人に対する著者の固執は私小説とも受け取れ、その固執が全体を覆い、小説の質を上げている気もする。貴重な読書体験でした。お気に入りさん、ありがとう。2025/03/01
みや
25
韓国で実際に起きた連続殺人事件を題材としたサスペンス。「タルドンネ」は韓国語で「月の町」、坂道を登りきった場所や丘の上にある貧民街を指す。殺人鬼、刑事、ホテルマン。タルドンネ出身の三人の男の物語は「環境は関係ない」という話になるかと思いきや、垣間見える彼らの陰が永遠に付き纏う同じ月光を主張してくる。エログロ盛り沢山で終始ジメジメした空気が気持ち悪くて最高だった。カニバの潔さがむしろ爽やか。生きたまま子宮を切り裂く場面と匙で脳漿を啜る場面が特に好き。日本人女性作家(=著者)が酔いしれる結末に至ったのは残念。2020/12/24
うーちゃん
15
韓国で実際に起こった連続殺人事件を基に描くフィクション。タルドンネとは韓国の貧民窟(高台にあり、月の町と呼ばれる)。強烈なゴア・シーン、性描写が続き、作者の筆力も手伝って吐き気を催すほどだった。途中 明らかに志麻子さん御本人がモデルと思われる日本人女性が登場し、最終章にむかっては主人公の影が薄れ、やや間延びした印象。月の光や生(性)や死について、美しい詩のように紡がれる 幻想的な文章も多く、お薦めしたいのだけど、、やっぱりエグすぎるかな。2015/02/17
ほわわん
4
結構グロいのが大丈夫なほうだと思っていたんだけれど、グロ耐性ある私が読み進められなかった。グロいしちょっと、作中にでてくる食品とグロがきつくて、え、しかもこれ実際にあった事件をモチーフにしたのかと知ってその時また心底恐ろしいなと思いました。 殺人鬼の男の殺人動機というか、どこかこの殺人鬼には何かが欠落しているような気がして、でもそれがなんという名前なのかうまくいえなくて、それがイライラさせるというか、殺人鬼の単純なのに偏執的な異常さのその言葉にできなさというか、それが表現されている気がしてすごかった。2015/05/16
そのぼん
3
グロかった…。読んでて気分悪くなりそうでした。淡々とさた文体がグロさを倍増させてた気がします。2011/06/12
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