内容説明
持ち株の暴落で事業に失敗し破産しかかった青年梶と、その梶を強く慕う奈奈江や、幾組かの男女の“愛”の葛藤。伊豆山中の狩猟の最中に起きた突発的傷害事件への発展。「純文学にして通俗小説」なる“純枠小説”を自ら実践し、恋愛における現代人の“危機意識”を緻密な文体で追った「紋章」「家族会議」等の先駆となった画期的名篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くにお
1
奈奈江、藍子、高、梶、木山婦人、「実に」などキャラの濃い登場人物の間で視点が次々と入れ替わり気持ちのすれ違いが描く、とてもテクニカルな作りの作品。読者には肝心の仁羽の内面だけが見えない、というのがいい。2018/12/28
Shue*
1
仁羽という男の生きざまが、この後の横光のテーマになっていく一つの軸。 地団太踏みたくなるような、貧乏くじの人生でも、仏のような笑みで前を向けるのか。 横光は、憎悪渦巻く人間の汚い世にあって、こうした一種異様な英雄像を、どうしても書かずにはいられなかったのだろう。特に「性」を前にした人間の愚かさを、横光は熟知している。「寝園」というタイトルが喚起するものは、人間が元来持ちえたはずの、絶対不可侵、揺らがぬ幸福の極地である。 しかし、右往左往する人間の合間から、こんな英雄を垣間見せるとは。やり手。2008/08/15
gitta
0
やっと読みました。横光利一を追っかけ中です。2012/08/19
条
0
面白かった。仁羽をもっと巨大化していく父性のようなものとして扱っていき、そのグロテスクさを際立たせることで、無垢なるものであるところの彼を効果的に描けばよかったのではないかと思った。いずれにしても、佳作。2011/04/06
doradorapoteti
0
ふ~んって感じ。2006/01/16
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