内容説明
かおり 16歳、高校生。演劇部所属。“幼なじみ”室田剛と“転校生”服部至の間で揺れる青春真っ只中。詩子 49歳、小学校の栄養士。地元の特産物を使った料理の「試食会」を主催。13年前に夫・昭彦と死別。ひな 76歳、華道教師。39年前に夫・孝二郎と死別。20歳の嫁入り以来、浮久町に住み、上げ舟を守る。祖母はここに嫁ぎ、母はここから出たことがない。そして、私は――母娘3世代、本当の大河小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンタマリア
31
「百年の想像力」。開かれた未来と根源への回帰を感じた。また、稲葉真弓さんの情景描写が今回も冴えていた。好き。2023/01/03
kyoko
6
祖母と母の3人暮らしの16歳のかおりの日常。川のそばでの暮らしの歴史、祖母と母の過去の思い出も交えながら静かだけど心に残る物語でした。昨年亡くなったと後で知り、もう新刊が読めないのか~と残念な気持ちになりました(/_;)2015/07/11
ハセタツ
0
僕たちはいつか死ぬ。でも想像力は人から人に受け継がれて、百年だって二百年だって生きるでしょう。2015/04/03
gawk2
0
「半島へ」が面白かったので引き続き。娘、母、祖母の三世代それぞれの視点からの物語が絡み合う。女性の内面の描写はすごいと思う。濃すぎて息継ぎがいるくらい。自分が男だから必要以上にそう思うのか。ストーリーとしてはあまり面白くないのだが、「生活」「土地」の描き方はホント生々しくて、かつ心地いい。3本の川のデルタ地帯に行ってみたくなった。 他の作品も読んでみよう。2012/07/20
ちゅら。
0
川面より低い土地で暮らす人々の水との関わりを、高校生を主人公にして純粋な透明度の高さで描いている。2011/02/09