内容説明
エリツィン政権と運命共同体だった新興財閥「オリガルヒ」と激しい権力闘争を繰り広げているプーチン政権。資源大国ロシアの基盤である石油・天然ガスなど国家的利権を支配し、プーチン氏と同じ諜報機関出身の側近や友人が大統領の指示・庇護の下で、国内経済の中枢を支配する「国家資本主義」が構築された。
本書は、2015年まで10年にわたってモスクワ支局でプーチン政権を追ってきた日経記者による経済暗部解明の書。プーチンと新興財閥の戦いで、ロシア経済はなにを失い、これからどのような影響があるのかを事件の解明を通じて明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
2
相変わらず幕府統治時代みたいな利権と暴力と縁故経済のロシアの話。こんな国に生まれないでよかった。しかし立ち回りによってありえないくらいの富を手に入れるさまにマフィア映画を見ているような面白さを感じる。寡占資本家の勃興ではなく、その後のプーチン登場からプーチンとの戦い、ユーコス事件、そして現在について書かれている。ロシアは長い停滞に入った・・・・とあるが、国家とは結局国民性を映し出す鏡にほかならず、国民性とは人々が過去を振り返って認識する自己像のことだ。モスクワ公国の頃から何も変わってないと思う2016/05/25
たけふじ
0
資源をはじめとした利権を国有に、あるいは国家の影響下に置きたい。このクレムリンの意思に逆らえば、どれだけ力のある財閥であっても太刀打ちできない。プーチンとそのお友達が甘い蜜を吸いたいからというのもあるだろうが、根底にあるのはエリツィンの「ショック療法」によって生まれた資本主義への不信であり、国家資本主義への嗜好なのだろう。深刻なのは、それを支配者たちのみならず被支配者も共有していること。むしろ国民の方が国家による資本の支配を望んでいるという調査すらある。今後もこのような体制が続くことが容易に想像できる。2016/06/03
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