内容説明
変貌する家族を通して現代社会を多元的に問う、ヨーロッパ家族政策の第一人者による書下ろし。
目次
第1章 家族と社会の融合的関係(社会の基礎としての家族;政治秩序の基礎としての家族)
第2章 二重の自律化―社会に対する家族ならびに家族に対する個人(個人化における国家の役割;家族の個人化)
第3章 個人化に直面した社会の位置取りという問題(三つの準拠枠の緊張関係;法的規制(レギュラシオン)の不確定性
二重化された司法的規制 ほか)
結論 「私的なるもの」の再政治化
著者等紹介
コマイユ,ジャック[コマイユ,ジャック][Commaille,Jacques]
1937年生まれ。国立科学研究センター(パリ)研究主幹。公共政策研究グループメンバー(エコール・ノルマル・シュペリオール、カション)、政治学研究所(グルノーブル)客員。主たる研究分野は、法と司法の政治社会学であり、なかでも主要な関心は、法と家族政策におかれている
丸山茂[マルヤマシゲル]
1950年生まれ。神奈川大学法学部教授
高村学人[タカムラガクト]
1973年生まれ。東京都立大学法学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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うえ
4
「家族に関する司法は、国際的なレベルで論争の対象となっています…論争は、ローマ・ゲルマン法系とコモンロー法系という二つの根本的に異なる世界観の中でそれぞれ展開している…ローマ・ゲルマン法系では、ルソーの社会契約論…「人は自らの下に何も残すことなく全てを譲渡し」「法律は、私を放棄したところの一般意思の表明であり、それによって自由が実現される」…コモンロー法系では…ロックが主張したように「個人は自然状態から社会状態に移行しても、社会協約を締結する以前の自らの身体と財産の所有といった不可侵の権利を保持する」」2025/06/09
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