講談社学術文庫<br> 興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード

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講談社学術文庫
興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード

  • 著者名:小杉泰【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 講談社(2016/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062923880

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内容説明

7世紀、アラビア半島の一角にムハンマドによって確立されたイスラームの共同体。それは人間の平等と弱者救済を訴え、迫害を受けながらアラビア半島全域に広がり、さらにビザンツ帝国、ササン朝ペルシアを滅ぼしてイベリア半島から中央アジアに至る大帝国を築き上げる。多くの異なる民族、多言語、多宗教の壁を乗り越えて大帝国を実現させたイスラームのジハードと融和の原理とは何か明らかにする。

目次

はじめに──「夜陰の旅立ち」から
第一章 帝国の空白地帯
第二章 信徒の共同体
第三章 ジハード元年
第四章 社会原理としてのウンマ
第五章 帝都ダマスカスへ
第六章 イスラーム帝国の確立
第七章 ジハードと融和の帝国
第八章 帝国の終焉とパクス・イスラミカ
第九章 帝国なきあとのジハード
第一〇章 イスラーム復興と現代
あとがき
その後のジハード──学術文庫版のあとがき
参考文献
年表
主要人物略伝

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

119
マホメットから現代まで一気に。一神教は中東の砂漠の限られた地域から発生 メモ;ファーストネームで分かる宗教 ムハンマド(イスラム)、ウマル(スンナ)、アブドゥルフサイン(シーア)、フリトルス(キリスト) 2025/02/24

優希

81
イスラーム帝国の多民族・多人種・多文化・多宗教ならではの歴史が語られていきます。7世紀、アッラーの啓示により平等と救済精神をムハンマドが説く中で建国されたイスラーム。後継者たちの勢力拡大により、広大な帝国を造り上げ、黄金期を築いた歴史はまさに大制服ならではの結果だと思います。わずかな間に勢力を持っていく危険性が恐ろしい国家であり、今のイスラームの思想へと結びつく基礎がここで出来ていたらと考えると、鳥肌が立ちます。様々な要素を融和し、包括した流れに、現代のイスラームの片鱗を見たようでした。2016/12/11

南北

38
アラビア半島という政治的な「空白地帯」に発生したイスラーム教がやがて広大な帝国を築き、やがて帝国が滅亡するまでの歴史を描いた本です。オスマン帝国やモンゴル帝国については同じ「興亡の世界史」シリーズにあるので、そちらで補完できると思います。単に過去の歴史だけではなく、アル=カーイダや「イスラーム国」にも言及しているので、現代を理解する上でも参考になります。ジハードをテロと直結させて考えるのは誤りだということがよくわかります。 2017/06/06

ああああ

11
「ジハード」とは信仰するための「努力」のことなのか。なるほど、本書の題材は剣によるジハード、つまり戦争そのものではない。ムハンマドの時代から、ウマイヤ朝、アッバース朝をへて多極化していくムスリム達の物語として、とても面白く読めた。国や政権の枠組みを超えて社会を支えているのが共同体であるウンマ。ウンマと言われてもピンとこないけど、神社の境内で餅つきやお祭りをする地域社会のようなイメージが近いのかもな~。2017/09/27

みのくま

10
この世界に巣食う不平等や不公平、差別にジハードを起こした偉人こそムハンマドに他ならない。イスラームとは唯一神アッラーの加護の下、全人類に平等と公平、そして自由を謳う思想だ。しかしこのような理想は、アラビア的土着性や外敵など多くの困難に見舞われる。特に西洋列強による植民地化以降、イスラームは帝国が崩壊し、「野蛮」というレッテルを貼られ、民族主義(=部族・血縁主義)も高まってしまった。そしてこのような堕落から防衛するはずのジハードも、指導者(カリフ)を失い単純化されてしまった。イスラームの復興は可能なのか。2018/10/08

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