2040年 半導体の未来

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2040年 半導体の未来

  • 著者名:小柴満信【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 東洋経済新報社(2024/06発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492503546

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内容説明

--半導体業界「キーマン中のキーマン」が提言する「日本再生戦略」。日本経済がしくじり体質から脱却し、復活するかどうかは「最先端半導体」にかかっている!--

 世界ではいま、半導体がかつてないほど〝熱い〟。
 1つは、新型コロナウイルス感染症によって半導体の製造と供給が一時大きく滞り、世界経済に大きな影響を与えたこと。もう1つは、半導体をめぐる米中関係の緊張の高まりだ。
 いま世界中のあちこちで、半導体「国産化」の動きが起きている。

 私はJSRに1981年に入社した。JSRは、半導体のシリコンウェーハに塗布するフォトレジストで世界トップクラスのシェアを持つ。40年超にわたって半導体業界を現場の視点からつぶさに見てきたつもりだ。そうした経験から、「最先端半導体の開発と製造を日本国内で再び行うべきだ」と考えている。

 いまや世界を牛耳るGAFAMは大きく成長し、その後、AIが次の波になると見るや、素早く自社のサービスに取り入れることでさらなる強大なパワーを手にしてきた。それによってGAFAMが本拠地を置く米国が、世界の覇権を握ってきた。
 
 それを支えたのは「コンピューテーション(計算基盤)」であり、もっといえば、基盤となる半導体にほかならない。すなわち、半導体は企業の力の元であり、国の力を支える基幹産業なのだ。半導体の復活なくして、日本の未来が明るくなることはない。

 ここにきて「日の丸半導体、復活か」と思われる動きが相次いでいる。TSMCによる熊本新工場の建設、先端半導体の国産化に向けた新会社Rapidus(ラピダス)の設立――。

 ただ、こうした「半導体の喧騒」を冷めた目で見ている人も多い。
 「失われた30年の間に、技術力も技術者もなくなった。工場だけ建てたところで、そう簡単につくれるはずがない」
 こういった批判の声は、一理ある意見もあるが、それでも日本は国産化へまっしぐらに突き進むべきだという私の考えはいささかも揺るがない。なぜなら、そこには勝算があるからだ。(「はじめに」より抜粋)

【この本でわかること】
 □なぜ半導体が注目されるようになったのか
 □背景にある世界を巻き込む事情とは何か
 □その中にあって、日本はどう進むべきか
 □半導体開発競争の先にある未来のテクノロジーとは何か

目次

第1章 日本半導体「失敗の本質」
第2章 ラピダスの勝算
第3章 半導体戦略としての「生産性革命」
第4章 半導体戦略がめざす「次世代計算基盤」
第5章 近未来を担う「量子」と半導体戦略

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あみやけ

41
1年前の自分がこんな本を読むとは思えません。読んでもさっぱり分からなかったでしょう。今も半分くらいしか分かってないかもしれませんが、面白いとももっと知りたいとも思えます。理系ではなく社会科学ですね。日本の科学技術にも経済にもまだまだ活路があるようです。まずは自分が乗り遅れないようにしないと。科学技術系の博物館に行きたくなります。今なら少しは分かりそう。できれば、自分の学びを子どもたちに還元したいです。もちろん、小学生にもわかる内容と手順で。一緒に未来を考えたいです。未来が楽しみになります。日本も世界も。2025/01/02

りんご

41
「半導体といえばエヌビディア」と夫に言われるたびに「エックスビデオ?」と答えるやりとりを10回くらいしました。「2ナノ」と見るたびに「ニナノナノー」と声を出して響きを楽しみました。量子コンピュータは従来型コンピュータに比べ「1億倍速い」とあり、Dr.stone を思い出しました。大変わかりやすく、かつ未来に期待を持つ本です。時代はますます加速してる。躊躇なくチャレンジしないと乗り遅れるのね。おそろしい。でも悲観ばかりの未来はヤダもんな。2024/12/05

アベシ

26
どうして今ラピダスなのか、歴史や技術の波動が新しい局面 に入るときだからこそ、リープフロッグで一気に2ナノへ、きっと成功させて欲しい。日本に確固たる計算基盤を整え、STEMか、歴史や技術の波動が新しい局面 に入るときだからこそ、リープフロッグで一気に2ナノへ、きっと成功させて欲しい。日本に確固たる計算基盤を整え、STEM教育で理系の人間を育てながら量子の世界へ挑戦だ‼2024/10/31

スプリント

14
TSMCとサムスンのアドバンテージが大きいことがわかる。 インテルはどうなるのか。 日本の巻き返しがあるのか。 半導体の超小型化は必須なのだろうけど省エネも考えてほしい。半導体が小型になっても冷やすための装置が巨大化したら元も子もない。2025/02/10

やすほ

11
【☆☆☆★★】 半導体と言えば、TSMCが熊本で工場を建設することで話題になったが、日本でもラピダスと言う会社で2nmプロセスの実現を目指していることを知り驚いた。これまで微細化はインテルですら後れをとっており、日本が今更TSMCに追いつけるわけがないと考えていた。しかし、2nm以降は従来のFinFETの延長線上ではなく、新たにGAAと言う技術が必要になるとのこと。IBMと連携することでこの新技術を実現できる見込みがあると知り期待が膨らむ。TSMCのみの現状は地政学的リスクもあり、ラピダスの挑戦に期待。2025/02/12

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