内容説明
親鸞、一休、良寛、西行、空海…悟りを開いた高僧としてではなく、一人の“生身の”人間として、人生の最晩年、迷い悩みながら辿り着いた人生の終い方とは。自らも僧籍を持つ著者が彼らから導き出した「不安」な人生の中に「安心」を見いだす生き方、終活のヒント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシ
12
10人の名僧が如何に生き、如何に死んでいったか、真宗の僧籍を持つ著者が独自の見解を加えつつ、生死のあり方を見つめた本。著者は冒頭で結論を示す。「名僧」は「迷僧」であると。名だたる高僧だって、悩み苦しみながら生き抜いた。自死を試みた僧もいる。凡人である私が迷うのは尚更だ。僧である前に、一人の人間としてのドラマを10人分見た気分で読後の今は、感想が何だかまとまらない。迷う自分を居直ることなく肯定して生きて行けば良い、そんな事を感じたかな。ところで、山岡鉄舟がかっこよすぎました。私、男ですけど惚れまスた。2016/11/20
舟江
8
まあ面白かったが、話の信ぴょう性は?????であった。例えば良寛。僧侶としての活動はほとんどしていないに等しい。と記述されているが、新興宗教のように、説法でこけおどしをするのが仏教ではないし、ましてや法事や葬式しかできない僧侶は、その資格すらないと言える。現世の人にそっと寄り添うのが仏教ではないだろうか。2017/06/06
乱読家 護る会支持!
6
「死にとうない。仙厓」「亡骸は賀茂川の魚に与えなさい。親鸞」「釈迦も達磨も猫も杓子も、死んだらみな同じ。一休」「人生そのものが最大の形見。良寛」「生死一如。山岡鉄舟」「願わくば、花のもとにて春死なむ。西行」「捨てよ何もかも。一編」「道半ばであろうとも、精根尽きるまで生き切る。最澄」「今をどう生きるか。空海」。。。名僧は、迷僧。やはり、死の苦しみ・恐怖を克服できたわけではない。「死の苦しみ・恐怖」からは逃れられないなら、「死の苦しみ・恐怖」を持つ己と付き合って、最期まで生き抜くしかない。。。知らんけど。2016/11/19
散歩牛
5
有名な10人の僧の言葉やエピソードとともに、どのように生きて死に向かっていったのか分かりやすく書かれた本。「はじめに」で記されている通り浄土真宗僧侶である著者なりの解釈によって書かれた文章はテーマがはっきりと示されていて言葉の意味なども分かりやすく説明があってとても読みやすい。一口に「僧」と言っても各人それぞれの人生も死も、どのように違いどのように苦しんだのかもまちまちで興味深い。人生も死も人それぞれで唯一の正解など無いんだろうけど、何かに縋りたくなってしまうのもやっぱり人間だからなんだろうなあ。2016/09/20
豚
1
新書のノリで読んだから、時々はさまれる著者の学術的な根拠を伴わない情緒的な語りがあまり好きではない。「友だちだったら」「私だったら」が入ったらそれはもうエッセイだけど、エッセイにしては面白くない。2023/09/20