内容説明
洋装をして儒教道徳を体現した人。明治政府は近代国家建設のために、天皇のみならず皇后という表象のもつ力を最大限に利用した。和装の皇后から洋装の皇后へ、そして再び和装の皇后へと変貌する皇后像の役割とその意味を、世界史のなかで読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルクシ・ガイ
4
女は未だ、儒教の重りに押し潰されている。ついさっきネットで「共働きで給料も夫と変わらないのに、なぜ自分一人が家事と育児と仕事で疲れはてなくてはいけないのか」という質問を見かけた。思わず「それは女の分際で外で働いている貴女への罰だ」と答えそうになった。男は外で労働、女は家庭で家事育児を「日本の古来からの風習」だと思っている人も沢山いる。某皇族が今話題になっているが、イメージは作られるものだ。誉めている人も叩いている人も、この書籍を一読して欲しい。2020/12/11
陽香
3
200112102016/04/10
鬼山とんぼ
2
この作者3冊目。戦国時代の話が好きで大作クアトロラガッツィを手にして以来、若桑氏のファンになった。一応学術書ではあるが、内外の広範な資料と西洋絵画史の視座を加え、国民の支持を受けたわけでない明治政府が「天皇の神格化」という虚構によって国民を富国強兵に動員し、体裁の良い道具として天皇皇后の「ご真影」や教育勅語を利用した経緯が余すところなく解説されている。まさにこれは右翼と結託し安保運動を鎮圧した岸信介の孫であり言論弾圧、人事権による忖度強制により国政を歪めてきた安倍政権の思想的系譜を明らかにするものである。2020/09/01
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