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ちくま学芸文庫
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  • 著者名:若桑みどり【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2016/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480089076

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内容説明

絵画は美しいのみならず、描かれた時代の思想・宗教観を密かに映し出している。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、デューラーの『メレンコリア』、ジョルジョーネの『テンペスタ(嵐)』。世界の名画のなかでもとくに謎に満ちたこれらの作品から、絵画の隠された謎をさぐる。画家が本当に描きたかったのは何か、何に託してその意図を伝えたか? 美術研究の成果を存分に駆使しながら、絵画に描かれた思想や意味を鮮やかに読み解くスリリングで楽しい美術史入門。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

247
本書はイコノロジー(図像解釈学)の入門書。もっとも、入門書とはいっても、従来の解釈にとどまらず、最新の学説や見方も紹介しており、奥行きもある。また、ここからさらに学びたい人のためには、巻末に参考書も用意されている。対象とされたのは、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、デューラー、ジョルジョーネの4人の代表的な名画。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の「ノアの方舟」の解釈にも驚くが、白眉は「神なき宇宙」を見ていたというダ・ヴィンチ論。絵画の解釈にとどまらず、「ルネッサンスとは何であったのか」に見事に答えるもの。2012/07/25

徒花

120
うーん、まあまあ。もっと西洋美術全体の、それこそ「イメージを読む」ためのコツみたいなものが書かれているのかと思ったけれど、ミケランジェロやダ・ヴィンチ、デューラーなどのルネサンス期の作品について、その当時の社会的な状況や、画家の状況、時代の流れみたいなものを交えながら持論を展開して、その絵画のメッセージを読み解いていくという内容だったので、思ったより範囲が狭かった。やっぱりダ・ヴィンチのパートが内容的にはいちばんおもしろかったかな。2021/01/23

buchipanda3

98
前に読んだミステリで図像解釈学に興味が湧いたのでこちらを読んでみたが、面白かった。本書では図像解釈学の他に様式論、図像学と組み合わせて名画の主題や作者の意図が体系的に解説されている。元々、大学での講義録なので読み易いし、中身も充実。これら美術史の学問で興味深いのは、歴史や神話、宗教、社会学だけでなく心理学や哲学なども含めて包括的なものだということ。まさに人間を追求している。実際、今作では絵の主題と共にミケランジェロ、ダヴィンチ、デューラーなどの人物が見えてくる。もっと彼らのことを知りたくなった。2020/05/11

アナーキー靴下

60
色々絵を見るうち、絵を見るとき目の前の絵だけを見ているわけではないんだ、と思い始め、そのような本かと思い読む。が、内容はイコノロジー入門らしく、浅学な私が勝手に期待していたものとは少し違った。鑑賞ではなく解釈、絵画から歴史を紐解き更に解釈の深度を増すことを目的としたような学問だろうか。しかし中世の宗教画が「貧者の聖書」と呼ばれていたとか、絵は思想の表現で闘争的であったなどと言われると、現代だとその役割は、広告業界に受け継がれてしまっているんだろうか、と…。そう考えるとどうしようもなく拝金主義な世の中だ。2023/10/25

mm

28
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザ、デューラーのメランコリアI、ジョルジョーネのテンペスタ、以上4点の絵画を扱う。それらのテーマ、図像解釈、その主題を描こうとする作者の背景にある社会情勢、今までに主に紹介された解釈、筆者の解釈などがわかりやすく書かれている。内容の教養的な所がしっかりしてるなという印象と、筆者の絵画を通してのコミュニケーションへの熱意、それを多くの人に共有してもらおうとする姿勢が好ましい。モナ・リザは単なる肖像画ではなく、宇宙観の表明だ。2017/03/12

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