内容説明
北陸・敦賀湾の海難事故でダイヤモンドが忽然と消えた。その消えたダイヤをめぐって、若い男女が災難に巻き込まれる。最期にダイヤにたどり着く者は、意外な犯人とは?傑作本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
85
日本沖で旅客船が沈没し、船の中でロマノフ朝のダイヤが、偶然乗り合わせた少女に託される。少女は無事に救命ボートで海岸にたどり着くが、その後行方が分からなくなっていた。主人公の敏夫と咲子は仕事探しから偶然情報を知り、自分たちで少女とダイヤを追いかけ始める。怪しい人物や少年の活躍など、江戸川乱歩先生の少年探偵団シリーズを感じる嬉しい展開。本当に、怪人二十面相が出てくるのではと感じた。謎解きと言うよりは冒険小説だが、固定電話すら満足に無い時代の当たり前が懐かしい。初めて家に黒電話が来た時の感激が、思い起こされた。2022/06/22
Kotaro Nagai
8
本日読了。森下雨村2冊目。本作は大正14年「少女倶楽部」に連載されました。大正時代の女学生が主な読者なのですが、今読んでも十分楽しめる作品となっています。文章もこの時代にしてはモダンで古くささを感じさせない。ヒロインの咲子は、大正時代の若い女性にしては活発で魅力的でした。2016/12/26
sashi_mono
7
事件のカギをにぎる人間たちを、どう舞台の明るみにひきずりだすかに、作者の苦心の跡がうかがえる。身も蓋もない言い方だが、御都合主義のかたまりのような出来栄えで少々面食らった。いっぽうでロマノフ王朝の財宝はもとより、新聞広告などの道具立てが時代を感じさせ、いい味を醸している。昭和初期の探偵小説の雰囲気を感じとることができた。2018/01/26
ψ根無し草
4
当時で言う「ラノベ」になるのだろうが現代の中高生が読んでも娯楽作品として通用するのではないだろうか。昭和初期に書かれた探偵小説だが展開がスピーディでザックリした展開、そして金田一少年よりも分かりやすい真犯人。この時代の作品でここまでサラサラ読める作品は初めてかもしれない。肩の力を抜いて読める傑作大衆小説としても貴重な一冊。2020/04/22
Sleipnirie
4
昭和5年の探偵小説を2016年に河出文庫化。 行方知れずのダイヤをめぐって男女カップルと盗人一味があの手この手で奔走する。色々と場面が変わって長ったらしさを感じず楽しい小説。2017/11/25
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