内容説明
1941年12月8日、真珠湾攻撃に参加し、1945年8月18日の日本海軍最後の空戦まで戦い抜いた歴戦の搭乗員は、その日、まだ25歳だった。戦死率8割という消耗戦を生き残った若者たちは、あの戦いの最中に何を思い、戦後の混乱のなかでどのように生き抜いていったのか。150人以上の搭乗員たちにインタビューしたジャーナリストによる、平成の若者の祖父たちの激闘と苦闘の記録である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
17
零戦を駆って戦い生き抜いた人々のインタビューにより構成された一冊。人が死ぬことをどう乗り越えてきたのか。その重たい事実に真剣に読み入ってしまう。2017/05/27
takam
16
海軍の航空部隊に所属して日中戦争から太平洋戦争を戦った生存者たちの老後の回顧録といったところ。仲間や上司、部下が死んでいく中、戦況が悪化していく中、故郷のために戦う姿に対して、海軍を選んだ理由が「空を飛びたかった」という少年的な好奇心という点が対照的だった。「空を飛びたかった」から海軍を選んだ少年たちは、アメリカと戦うなんて思ってもいなかったはずだ。零銭や紫電改についての感想を聞かれて熱心に答える姿などは、年老いても飛行機少年のようだったことが印象的だった。2020/04/20
roatsu
14
この先輩方、戦死された先人達に顔向けできない国にしてはならないと改めて強く思う。海軍戦闘機隊員としての壮絶な戦歴だけでなく苦難の中懸命に、誠実に戦後の日々を歩んだそれぞれの心と生き様にこそ目を向けてほしい。後世の我々への偉大なお手本だと思う。どの証言もかけがえないが特に志賀少佐、日高大尉のこれだけまとまった証言に触れられたのが個人的に嬉しい。戦前戦中の皆さんの写真も収録されているが、戦友達も含め朗らかで屈託のない良いお顔の写真ばかり。怜悧さと凄味を秘めた若き日の志賀少佐のイケメンぶりは本当にかっこいい。2016/12/13
ゆうか
1
このシリーズを全作読みましたが、いずれも貴重な証言集だと思いました。 月並み以下の言葉ですが、あの時代を生きていらした方一人一人に色んな物語があるのだと再確認できました。 これらを世に出してくれた著者には感謝しますが、Twitterや文中から徐々に著者本人の自己顕示欲のようなものが見て取れるようになってしまい、もう新刊が出ても読むことはないだろうなと思います。2022/07/06
Bochi
0
あの頃の人達が望んだものを、今の私は全て持っている気がします。2025/01/26