「やさしさ」過剰社会

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「やさしさ」過剰社会

  • 著者名:榎本博明
  • 価格 ¥750(本体¥682)
  • PHP研究所(2016/11発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569832258

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内容説明

ある大学生は、自分の友だちに深刻な悩みごとは相談できないという。「友だちにそんな重たい話をして、負担をかけたくない」。しかしそんなに気を遣う関係が、友人関係と言えるのか。目を転じれば、子どもを叱れない親、部下を注意できない上司が世に溢れており、人を傷つけてはいけないという風潮があるようだが、背景には「子どもに嫌われたくない」「部下に訴えられたくない」といった思惑があるのではないだろうか。上っ面のやさしさが主流になり、あえて厳しいことも言う本物のやさしさが疎まれてしまう時代。日本古来の「間柄の文化」にも言及しながら、ベストセラー『「上から目線」の構造』を著した心理学者が現代の「やさしさ」を分析する。【目次より】●人の気持ちを傷つけない人はやさしいのか? ●聞き分けのいい母親より、厳しい母親でありたいと思う人は一二% ●アドバイスを受けてムカつく部下 ●気遣いをさりげなく伝えるやさしさ etc.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

144
他人も自分も傷つけないことに腐心して、生きづらい閉塞的な社会を形成している現代日本。アメリカ式「ほめて育てる」の盲従、市場経済に則った人間の商品化、個性尊重と混同した社会的タテマエの崩壊、SNS普及など、予防的なやさしさの根底に潜む強い自己愛・承認欲求のルーツを欧米との比較や他書引用をしながら探ってゆく。指摘しないのがほんとうにやさしいのか?という問題提起に8割も使ったあげく、本物と偽物のやさしさの区別を感受性の多様を理由にここまで棚上げするのは味気ない。踏み込まない人間はやはり助けになりそうもない。2022/10/31

まさきち

73
利己的かつ保身的な「やさしさ」と相手のことを思って踏み込んでいく「やさしさ」。この二つの違いについてさらっとした感じで比較検証していた本。その内容には大いに共感でき、今後の行動の中にも取り入れるべき点を見出せた一冊。2017/04/18

鱒子

45
図書館本。本書の論旨に全て賛成するわけではありません。しかし、近年は「やさしい人」である事が求められすぎており、ちょっと待って!それでいいの?という考えには賛同します。私にとって、観念的な物事の答えというものは、相反する二つの間の振り子の揺れる範囲にあるイメージです(すみません、ちょっとメンドウな言い方ですね(^◇^;))。「やさしい」に振り子が近すぎるというのは、やはりこの著者と同じで、違う気がします。2017/04/27

陽子

44
「やさしい人」が好かれる世の中。 それは本当の優しさなのか。都合の良い自己チューな優しさ。人をコントロールするための戦略的な優しさ。当たり障りなく自分が傷つかないために、上部だけで付き合う若者が求める優しさに疑問を投げかける著者。あえて厳しいことを言われても、それが後に感謝に変わることもある。「相手のためを思う気持ちが基本にあり、見返りを求めないのが本当の優しさ」との主張には共感ができた。確かに「戦略的な優しさ」で世渡りする人は、世間には多いように感じる。「本物の優しさ」を見極める目を持ちたいと思った。2023/06/08

39
相手のことを思って言いにくいことも言うのが本当のやさしさであって、現代の若者の間ではびこるやさしさは表面的で害悪の場合すらある。タテマエ(=教師たるもの○○であるべき、父親たるもの○○であるべき等)の崩壊をその原因にあげているが、じゃあなんでタテマエが崩壊したのか、もっと掘り下げた論が読みたかった。ちょっと若者とか欧米人への偏見があるような印象。2023/01/12

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