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内容説明
日本企業がおこなっている新卒一括採用は悪なのか? この一冊ですべてが分かる。
「お祈りメール」という言葉をご存知ですか。就職活動生に対して企業が不採用を告げるとき、
メールの末尾に、「今後のご活躍を“お祈り”しております」と、慇懃な定型文を付けること
から付いた、不採用通知の“愛称”です。
なかには何百回も“お祈り”されてしまい、人格を傷つけられたと思ってしまう学生も。
そもそも、「新卒一括採用」というのは世界では珍しい形態です。
なぜこの仕組みは成立したのか? 企業はなぜ日本型雇用に拘るのか?
欧米のようにサービス残業の無いジョブ型社会にすれば良いんじゃないか?
――色々な声が聞こえます。果たして問題の核心とはなんなのでしょうか。
本書では歴史を振り返り、データをみて、海外と比較をした上で「採用問題」を解き明かします。
著者はドラマにもなったマンガ、三田紀房「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」に登場する
「雇用のカリスマ・海老沢康生」のモデル、海老原嗣生氏。
本作では新卒採用に焦点を絞って分析し、ついには大学改革まで視野を広げた決定版!
豊富な図版と平易な語り口で、難しいテーマが、この一冊でマル分かりです。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
53
ショッキングな題名とは裏腹に、新卒一括採用やon the job traning、ゼネラリスト志向といった(何かと評判のよくない)日本企業の採用雇用システムを再評価する内容。最近はスケジュールの後ろ倒しや前倒しばかりが世間で注目されていますが、そこは枝葉の話。それぞれの国は様々な歴史や文化や社会などの構造的な背景からシステムを作っており、単純に日本に欧米型を導入する「接ぎ木」はうまくいかない事はよくわかります(何でもそうです)。就活生は日本の就職システムをそれなりに信じた方が幸せなのかもしれませんね‥‥。2017/03/21
若布酒まちゃひこ/びんた
19
読んだ。http://www.macha-job.com/entry/2016/12/07/2026432016/12/07
またおやぢ
14
日本型雇用の問題点を著者の視点から詳らかにし、欧米の雇用慣行やその背景との比較により、現状に基づいた打ち手を模索・提案する内容に好感を覚える。社会状況がボトルネックだと考え、思考を停止してはいけないとも再認識した。どのような人間を惹きつけ、どのように採用し、どのように育て、どのように組織に定着させかについては、組織が現状最善を判断し、自らの要請に合わせて柔軟に対応改善していくものである。個人もまた自らの価値感を踏まえ、折り合いを付けることが肝要であると示唆する一冊。しかし…このタイトルと帯の煽りは不適切。2017/02/22
Happy Like a Honeybee
13
フランスでは全人口の4割が進学し、その中で正社員になれるのは3割だけ。同一労働同一賃金が徹底され、年収は全く上がらず籠の鳥、箱のネズミと揶揄される。階層の固定化こそ、欧州の問題だろう。 日本では親の職業に関係なく、一流企業へ就職できる可能性が高い。仕事ができれば出世もあり、管理職の道もある。 現状を知らずして、欧米型雇用を称賛するのは無知の極みだ。 まずはこの本で学習が必要。2017/05/27
hk
13
企業内労働組合、年功序列終身雇用、新卒一括採用を三大支柱とする日本型雇用慣行には「欧州型をロールモデルにして変更すべきだ」という声が根強く存在する。だが「欧州型雇用慣行とは一体どんなものなのか?」と問われた際に、立て板に水スラスラと答えられる通暁者は日本において極めて少ないのが現実だ。本書は欧州のインターンシップ(企業実習)を中枢においた雇用システムの良し悪しをつぶさに紹介し、日本型雇用慣行とヨーロッパ型雇用慣行の折衷は可能かどうかを模索している。2017/02/07