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内容説明
平気でウソをつき、罪悪感ゼロ……そんな「あの人」の脳には秘密があった!
外見はクールで魅力的。会話やプレゼンテーションも抜群に面白い。
しかし、じつはトンでもないウソつきである。不正や捏造が露見しても、
まったく恥じることなく平然としている。
ときには、あたかも自分が被害者であるかのようにふるまう。
残虐な殺人や善良な人を陥れる犯罪を冷静沈着に遂行する。
他人を利用することに長け、人の痛みなどこれっぽっちも感じない。
――昨今、こうした人物が世間を騒がせています。しかも、この種の人々を
擁護する人も少なくありません。そうした人物は高い確率で「サイコパス」なのです。
もともと「サイコパス」とは連続殺人鬼などの反社会的な人格を説明するために
開発された診断上の概念です。しかし精神医学ではいまだ明確なカテゴリーに
分類されておらず、誤ったイメージやぼんやりとした印象が流布していました。
ところが近年、脳科学の劇的な進歩により、サイコパスの正体が徐々に明らかになっています。
脳内の器質のうち、他者に対する共感性や「痛み」を認識する部分の働きが、
一般人とサイコパスとされる人々では大きく違うことがわかってきたのです。
しかも、サイコパスとは必ずしも冷酷で残虐な犯罪者ばかりではないのです。
大企業のCEO、政治家、弁護士、外科医など、大胆な決断をしなければならない職業の人に
サイコパシー傾向の高い人が多いという研究結果もあります。
最新脳科学が、私たちの脳に隠されたミステリーを解き明かします。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
631
以前から気になっていた本書、ようやく読めました。出版されてから約2年経過しているので、新作ハンターとして失格です。現存の著名人のサイコパス特定をしてもらうと、もっと面白かったと思います。私は、トランプ大統領がサイコパスだと確信しています。第6章のテストの結果、私はサイコパスでないことが判明しました(笑)2018/11/18
森林・米・畑
427
100人に1人はいると言われているサイコパス。サイコパスには勝ち組と負け組がある。サイコパスは遺伝的か後天的か?サイコパスを探す方法や、サイコパスにが多いとされるランキングなど。まだまだ分かってない事も多く、これからの研究も情報収集や実験対象を、探したりと大変なようである。2019/09/05
ehirano1
410
これは興味深い本です。結論は、どいつもこいつも潜在的もしくは顕在的にサイコパスであるということwww。しかし、そのサイコパスにも適材適所があるという著者の提案には同感です。そのうち『サイコパスの取り扱い方』なる本が出るのではないかと期待しています。2019/11/09
やすらぎ
278
私はサイコパス?ふとそんなことを思い、本書を手に取る。そうではなかったようだが、誰しもそんな一面があるとも思う。適切な情緒が欠如し支配的かつ強制的。平気で嘘をつく裏の顔。心理的なダメージを負わない人間が今この世を築いてきた一面もあるのだと言う。人間の脳や感情は複雑に絡み合うため原因は特定できない。これは駄目あれは駄目と決めつけるが普通とは何か。なぜ人類は良心を持ち愛着を形成する機能を備えたのか。生き残るためか。心とは何か。答えのあることだけではこの世界は成り立たないこと、無いことが有ることを改めて知った。2023/04/02
rico
252
メディアでよく見かけるあの人、この人。業績は上げて出世してるけど、部下を次々病院送りしていると社内で有名な人。そんな人達の「トリセツ」かなあ、と思って読んでみる。腑に落ちる部分もあるし、ちょっと強引な感じもあったけど、「わからないこともたくさんある。」という著者の姿勢は信頼してもいいと思う。実験が難しいからこそ、精神医学の分野で「分類」が重要視された。「サイコパス」という定義づけは、そういう人たちが社会に居場所を見つけ、力を発揮できるために必要なんだろうと思う。2017/04/08