内容説明
破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。しかし、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
107
推理に集中すると感覚を失っていく名探偵。3部作の上巻で視覚を3原色にわけた7感覚のうちすでに残り4つしか感覚は残ってないんですけど・・・。2016/12/09
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
39
周木律さんがタイガ…だと…?!ということでとりあえず読んでみる。戦火の予感漂う中、小柄ながらも金髪、美貌の名探偵六元とその助手三田村は、数々の事件を解決してきた。ある事件を最後に離れていた二人だったが、三田村が彼を探し出したとき、彼は病に侵されていた。全ての情報を頭の中で構築し、推理を導き出す、とんでもない集中力を伴う<収斂>を行うことにより、感覚の一つ一つを失って行くのである。そんな状態でも、密室での焼死体、男爵の木乃伊化などを解いてゆく六元。やがて犯人の目星までつきーー。なかなか面白い。次に期待。2016/11/25
佐島楓
37
全巻そろってから読み始めようと思っていた作品。次巻へ。2017/04/21
うまる
33
推理をすると感覚を失う病にかかった探偵の話。ある感覚に特化した探偵というのはあるけど、感覚が失われていく探偵なんて初めてでワクワクしました。自分の身を犠牲にしてでも対峙しなければならない事件、これがまた不可解なもので魅力的。戦後まもない荒廃的な雰囲気と奇妙な状態の死体というのが合っていて面白かったです。探偵自身は全てを受け入れているので、感覚を失う事に葛藤するのが本人ではなくて周りというのになるほどなと思いました。 残る感覚はあと4つ!これ以上失ったら日常生活も大変だと思うけど一体どうなるの~。中巻へ🐕2021/06/22
さばかん
33
う~ん優秀な探偵さんだ。 しかしまぁ役に立った感覚から失っていくとは、なんとも因果なものか……。 倒したはずのラスボス復活疑惑。 推理せずにはいられない名探偵の宿命。 続く。2017/05/10