内容説明
ロンドン郊外の住宅地の路上で、ひとりの黒人青年がB777から墜落し息絶えていた。彼の持ち物はわずかな現金と携帯電話だけ。ジュネーブ、ケープタウン、アンゴラ、モザンビーク──SIMカードに残されたデータを頼りに事件の謎を追い、真相に迫るなかで見えてきたのは、現代の奴隷社会と言うべき過酷な現実だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
72
ある日空から男性の死体が降ってきた。その男性の死因は、原因は何かということだけにとどまらずその背景が語られていた。アフリカという世界に置かれている立場、逆にそのアフリカという植民地を持つことにより潤ってきたヨーロッパ各国との格差を感じ取ることができた。ジェシカという女性のインタビューを基に進んでゆくルポにはイスラム教という宗教も大きく関わっている。無宗教と呼ばれる日本に住むものにとっては理解が難しい場面もあった。図書館本。2016/07/22
おかむら
42
2012年ロンドン郊外の路上で黒人青年の死体が見つかる。なんと死因は密航を企てた飛行機からの墜落死! ロンドン駐在の毎日新聞記者が事件を追ったルポ。コレ面白い! 副題が「アフリカ奴隷社会の悲劇」となってますが、もちろんそういう社会派ルポではあるんだけど、それよりもとてもワールドワイドなラブロマンスというか、かなりドラマチックな展開に一気読みだぞ!数奇だわー。分量も250Pくらいでちょうどいい感じ。2016/07/07
空猫
23
お気に入りさんのレビューから。タイトルは「飛行機のタイヤ格納部に密航していた男が墜落」したという意味。2011年9月の出来事だ。英国に新聞社の特派員として赴任した著者のルポ。この本を日本人が書き上げた事を誇りに思う反面、こちら側にいる自分達と黒人、イスラム社会との溝は埋まることは無いのだとも痛感した。[人種や宗教による偏見が無い]という思想は、それが先進国の、社会福祉が充実した生活に戻れる側の幻想でしかないのだから。ジェシカの認識は甘過ぎだφ(`д´)2018/02/09
kawa
23
著者の他作品を読みたいリストに登録するぐらい、読みものとして面白く一気読み。内容は貧困格差問題。古くて新しいテーマ。アフリカの状況を追確認できて有益だが、本書の核心となる女性のインタビューは、1回数時間のみ。大丈夫なのだろうか。私が心配する筋合いはではないのだが……。 2016/08/26
白玉あずき
17
ジェシカだけのインタビューと、著者の「・・・・と思う」、「・・・ではないか。」という推測による文章に大変危うさを感じる。しかし、未だに(さらに?)大きな南北の経済格差と、各国内における格差という厳しい現実をリアルに感じさせてくれるリポート。「法の支配」の生きている社会の有難さもしみじみ身にしみる。ヨーロッパの植民地として搾取された挙句、やっと独立したと思ったら、東西冷戦の前線として干渉を受け内戦。踏んだり蹴ったりのアフリカの悲劇。旅客機の車輪格納庫は、飛行中酸素濃度が低下し気温もマイナス50度以下。無理。2016/08/26
-
- 電子書籍
- 処刑された王妃は復讐を誓う【タテヨミ】…
-
- 電子書籍
- 転生王女は幼馴染の溺愛包囲網から逃げ出…
-
- 電子書籍
- 恋 輪廻~青月奇譚~【マイクロ】(3)…
-
- 電子書籍
- ダウト 私が夫を愛するほど夫は私を愛し…