双葉文庫<br> バイ貝

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双葉文庫
バイ貝

  • 著者名:町田康【著】
  • 価格 ¥484(本体¥440)
  • 双葉社(2016/11発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575714586

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内容説明

日々の生活の中でたまった鬱を、日々の生活の中でいかに散ずるか。「物」を買い、使い、また買い、使う。消費社会で生きる私たちの姿をあますところなく描く。超言語激烈文芸作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふう

83
日頃わたしがぼんやりと思っていることをこんなにしっかりと文章にできるなんて、やっぱり町田さんはすごい!そう、買い物は楽しいけど、意にそわない物が増えるのはストレスだし、お金が出ていくのはもっとストレスになるし…。鎌と中華鍋とカメラを通して、消費社会に生きる苦悩について知らしめてくれる愉快でちょっと哀しい教科書でした。「高い中華鍋をレジに持っていこうとしたら足が動かなくなった」なんて、本当に庶民は愛おしい。わたしは町田さんが好きだけど、本の貸しっこをしている友人はどうかなとちょっと心配しながら読みました。2017/01/16

70
町田康さんらしいエッセイ。表現力も独特で面白い。お金を遣うこと、お金を稼ぐこと、お金持ちなら必ずしも幸福か?と、改めて町田さんの理論を聞くことで考え直してみました。鬱を晴らす為にお金を遣うとしたら、と考えると自分の買い物が幸福となるか、良質なものを買っても手間がかかったり手入れが大変だと逆に(町田さんのようにw)より鬱を増してしまうのか、買い物も難しいなと思います。後半の趣味を持つことも、案外難しいものだと思いました。2016/10/30

HANA

65
ドフトエフスキー曰く「貨幣は鋳造された自由である」。との言に従い、カネを稼ぐために生じた鬱を発散すべくカネを消費する著者。何時もの随筆とも小説ともつかぬ自意識を拗らせた主人公が彷徨する内容であるが、正直町田康の書いたものの中だとこのスタイルが一番好き。鬱を散ずべく行動するのだが、ホームセンターで280円の鎌を買っては鬱が溜まり、中華鍋が焦げ付いては鬱が溜まりと、どんどん鬱の残高が増えていくのがもう可笑しくて可笑しくて。最後犬との癒しの時間の後にオチまで付いてるし。何時もの独特の文章と世界観堪能できました。2019/05/04

ワニニ

62
スバラシイ。そう、そのように世の中は、人生は、成り立っているのね。生きるとは欲を満たす為に働く、しかし労働は鬱が溜まるので、如何にしてその鬱を減らすか… 足踏みしているようでも、確実に進んでいるのだな。この物語も。ああ、面白すぎて、やっぱり町田康サイコー!(サイコじゃない)この可笑しみ、解らない人はいるだろう。怒り出す人もいるかもしれない。夫もそうかも(笑)価値観の違い??でも恋愛と結婚は別と、戸田恵梨香と加瀬亮が価値観違って別れたニュース見ながら呟いた朝。何か空回りな毎日に思えるが、鬱がだいぶ減じた私。2016/10/20

たつや

55
町田康さん初読。芥川賞のみならず、川端賞、谷崎賞と、割と堅めの賞を数多く受賞されてるようなので、さぞや本書もお堅いんでしょうねえ、と、身構えていたら、ゴムまりのように柔らかかく、よく弾む文章で最後まで愉しく、こぎみよく読めました。宝くじについての考え方とか、酒の席で出そうな話題だ。人の話は意見が割れるともめるが読み手は黙って読むだけなので、面白く読めました。更に話題も広がりそうです。100均とか、オークションとか、無駄遣い、衝動買いについても個人的には考えた。2016/12/16

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