内容説明
こうしてパリでぼんやりしている事の何とすばらしい事か──昭和33(1958)年、ヴェニス国際映画祭の後、名女優・高峰秀子は夫とともに7か月間、ヨーロッパを巡り歩く。パリ、ボン、マドリード、ローマ……、誰にも気兼ねせずに腕を組み、蚤の市を訪ね、人々と語り、おいしいものを楽しむ。死後に見つかった、最も幸せだった旅のすべて。秘蔵の写真を加えて文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セレーナ
6
下品なモノ言いもあるが、日記である。他人様に見せる前提ではない。そういう意味で却って生き生きしてる印象。旅日記というより16mフィルムをみているようであった。2019/06/03
てくてく
6
昭和33年のヴェニス国際映画祭で「無法松の一生」がグランプリを獲得した。その映画祭に出席した高峰秀子が、その後、夫と七か月ヨーロッパに滞在して船で日本に帰るまでの旅日記ないしメモ。発表を前提としていないため、ざっくばらんな叙述で、リズム感があって面白かった。「静かで、何だか消えてしまいそうな日である。」「ほんものの音楽家ばかりが客せきへ出て来て、実に良い。チップをやると耳もとで嬉しそうにひく。ちっともてれず気取らず正に芸人である。大いに気に入った。」2017/01/29
ムツモ
1
羨ましい、半年を越えるヨーロッパ滞在。人に見せるために書かれたのではない素直な内容は好感が持てた。仕事の疲れをしばし癒してもらい、感謝!2017/04/24
にやり2世
0
映画の感想がおもしろい。大したことないとか、つまらないとか。日記というより走り書きみたいな内容で率直な言葉が並ぶ。大女優の豪華旅行かぁと思ってたら、実はそうではないことがわかって一気に親近感。2016/09/22
にやり2世
0
勢いづいて買い物してる時は文も勢いがあって笑っちゃう。2022/11/21