内容説明
その美しさゆえに、ジェシカはいましがた、ある権力者に危うく体を奪われかけた。傷ついた心を隠して次の仕事場、カメラマンのアレクの元へ向かった。彼は前妻の裏切りから、美しい女性を嫌うと噂される男だったが、出会った瞬間、ジェシカは圧倒された。逞しい長身と、金色に射抜く瞳――彼女の目には、精悍な太陽神そのものに映ったのだ。しかし撮影が始まるや、揶揄するような言葉を投げつけられ、あまりの辛辣さに耐えかねて、ジェシカは卒倒してしまう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
20
文庫が出たので本棚整理のために買い直し。ミシェル・リード、疲れるとか言いながら結構好きなんだな、と改めて思う。強烈な自我のぶつかり合い、意地の張り合い、信頼する人たちとの繋がりの強さ。疲れるのは心揺さぶられるから、でしょうねえ。2018/08/29
たまきら
14
美しい女優が暴行を受けた後、エージェントに無理強いされて写真撮影に出向き、そこで傲慢な写真家と出会うところから話が始まります。藍まりとさんの優雅な漫画を先に読んでいました。こちらでは男子の芸術家精神と言うのか、感情の爆発がさらに哀れです。原作も面白かった。2016/11/10
akiyuki_1717
3
有名カメラマンで、モデルの元妻が勝手に中絶して離婚したのに、未だに金づる状態。挙句に元妻が中絶の後遺症で不妊症になったのは、自分の責任なので、同棲を半分強制したヒロインと別れて、元妻と再婚するって…頭おかしい。年増になりモデルとしての寿命が尽きたって、理由で結婚迫られてよくそんな結論を出した。彼女も愛していながら、彼を許そうとしないのも、こんな頼りないヒーローはまた同じ過ちを繰り返す気がするから、仕方ないと思う。まあヒーローが元妻に手切れ金にとパリに服屋を出してやったと呆れた。店が傾いたらまた無心されるさ2017/08/01
