内容説明
目には見えないが、そこに確かに存在する何か。日本ではこれを妖怪と呼ぶが、その正体を明らかにする研究こそが「妖怪人類学」である。自ら設立した世界妖怪協会で、この研究活動を晩年のライフワークとした水木しげるは、日本と世界を旅して各地の〈目に見えない存在〉の渉猟に励んだ。その研究成果の粋を集めた本書には、各誌で掲載されたフルカラーの妖怪絵79点と解説編を収録。水木ファン必携の1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
37
水木しげるさんと言ったら小学校の頃TVで見ていた「ゲゲゲの鬼太郎」しか知らなかった。「ゲゲゲの女房」とか一時話題になったものの、あまり興味がなかったので特に読欲が無いまま数十年。今頃になって水木しげるさんの漫画の面白さを知った。伝記物、歴史物、戦場物読んでなかった作品が意外と自分の壺であった。この本は妖怪の解説書。絵はカラー。水木しげるさんの画がカラーで見れる。角川さんに感謝。で日本の妖怪だけでなくその紹介は世界をめぐる。実際に現地に行って取材したもの。しげるさんの描く画は背景がとても緻密で写真の様。2019/11/22
雛子
9
水木しげるの妖怪人類学、読了。 『心を"無"の状態におかないと、そういう"霊的"なのは見れないのかも知れない。強いていえば"妖怪"は"感じ"だからなかなか捕えにくい。』 なるほど、心を無にしていれば、いつか私にも妖怪を感じるときがくるのだろうか。2017/09/29
タリホー
4
前半部はフルカラーイラストの妖怪画、後半部は妖怪画の解説という構成。日本と海外の妖怪の解説でも、特に海外の妖怪については水木先生が実際に訪れた土地の感想や抱いたイメージが語られているので興味深く面白い。海外探訪についての詳しいレポートは『別冊 怪 追悼・水木しげる 世界妖怪協会 全仕事』で紹介されているようなので、それと合わせて読もうと思う。2016/11/13
zero
2
美麗な挿絵に見とれてしまい、なかなか読了できなかった一冊。世界中の妖怪・精霊を比較して論ずる視点は興味深い。2017/07/09
りょんりょん
2
水木先生のバイタリティがとんでもない。70歳ををすぎてもあの国に行きたいこの国に行きたいとよく思えるなぁ。2017/02/17