集英社新書<br> 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

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集英社新書
「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

  • ISBN:9784087208443

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内容説明

日本の「戦後70年」とは平和の時代であった。しかし今日「戦後レジームからの脱却」へ歩を進める政権によって、かつてないほど不安で希望の見えない時代が迫りつつある。果たして私たちに「戦後80年」は到来するのだろうか。比較敗戦論、論壇と出版、集団的自衛権と憲法、歴史学による戦前・戦後論、少子化問題、中央銀行の破綻……。日本の知の最前線に立つ講師陣が「戦後とは何か」を論じつつ、この先10年、日本が歩むべき道を提言する。朝日新聞社と集英社による連続講座シリーズ「本と新聞の大学」第4期の書籍化である。【目次】まえがき 姜尚中/第一回 基調講演 一色 清×姜尚中/第二回 比較敗戦論 敗戦国の物語について 内田 樹/第三回 本と新聞と大学は生き残れるか 東 浩紀/第四回 集団的自衛権問題とは何だったのか 憲法学からの分析 木村草太/第五回 戦後が戦前に転じるとき 顧みて明日を考える 山室信一/第六回 戦後日本の下半身 そして子どもが生まれなくなった 上野千鶴子/第七回 この国の財政・経済のこれから 河村小百合/第八回 総括講演 姜尚中×一色 清/あとがき 一色 清

目次

まえがき 姜尚中
第一回 基調講演 一色 清×姜尚中
第二回 比較敗戦論 敗戦国の物語について 内田 樹
第三回 本と新聞と大学は生き残れるか 東 浩紀
第四回 集団的自衛権問題とは何だったのか 憲法学からの分析 木村草太
第五回 戦後が戦前に転じるとき 顧みて明日を考える 山室信一
第六回 戦後日本の下半身 そして子どもが生まれなくなった 上野千鶴子
第七回 この国の財政・経済のこれから 河村小百合
第八回 総括講演 姜尚中×一色 清
あとがき 一色 清

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

呼戯人

14
「戦後80年はあるのか」という表題の通り、危機の淵に立つ日本の諸相を分析している諸論考が刺激的である。戦争へと向かう日本、戦後の処理を誤った日本、子どもが生まれない日本、日銀の破綻へと向かう日本、立憲主義を壊す日本、そうした戦後80年がはたして本当にありうるのかという根本的疑問を呈している諸論考はまことに刺激的である。改憲勢力が議員の三分の二を超えた今、新たな戦前が回帰してきているのではないか、新たな破滅へと向かっているのではないか、この本を読むとそういう不安が募ってゆく。2016/08/31

Nobu A

6
「本と新聞の大学」シリーズ第3巻読了。16年刊行。ここまで巻付けしてきたが、期別けで本書は第4期、そして「講義録」タイトルでない前日譚があることに気付く。先に言ってよ。分かり易く毎巻末に紹介付けといてよ。と言うことで第4期の本書は「戦後の日本」がテーマ。まだ記憶に新しい集団自衛権問題等も扱われて興味深いが、かなり壮大且つ複雑な命題。内田樹先生の真摯に内省する比較敗戦論と上野千鶴子先生の人口減少に有効な政策介入なしとシングルマザー支援の国際比較が特に瞠目に値する。さて、第1期だけ所蔵なしは良くないよな。2024/03/21

4
憲法、歴史、経済、家族、様々なテーマについて、各論者が戦後、そして今を語る。内田樹「比較敗戦論」が特に興味深かった。日本は本当に戦争を総括できているのか。「戦後」とは何か、「戦後」は続くのか。 2017/10/03

おらひらお

3
2016年初版。いつまでも戦後といえるようにありたい。2019/03/02

三上 直樹

3
多彩な講師陣による「戦後80年」をテーマにした講義録ですが、執筆から2年たって残り8年となったところで、安倍総理から2020年の改憲施行という発言に対しては、まったく無力としかいえない古書となっていることに、危機感を感じます。どんな問題があっても、この戦後は終わらせない覚悟をもたなくてはならないと思います。2017/05/06

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