創元SF文庫<br> 殺人者の空

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創元SF文庫
殺人者の空

  • 著者名:山野浩一【著】
  • 価格 ¥865(本体¥787)
  • 東京創元社(2016/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488740023

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内容説明

学部自治会での内ゲバの結果、私はM派の内通者Kを殺害した。死体は仲間たちによって埋められ、事件の痕跡は完全に消去された。その後、私は警察から任意出頭を求められ大学も独自に調査を開始する。しかしその結果明らかになったのは、被害者とされるKなる学生が存在しないという奇妙な事実であった……非在の男がもたらす不安が、〈殺人者〉を異様な結末へと導く表題作の他、単行本初収録となる「内宇宙の銀河」をはじめ、「開放時間」「森の人々」「φ(ファイ)」など貴重な作品を集成。日本におけるニュー・ウェーヴSF運動を牽引した著者の真骨頂ともいえる9編を収録する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

33
4作の単行本初収録作(未読作)の中では「内宇宙の銀河」が面白い。多少の皮肉が込められたラストがいい。「メシメリ街道」はバラードの「コンクリート・アイランド」を連想させる佳作。著者あとがきでは、あまりいい印象はないようだが「Tと失踪者たち」は個人的には好きな作品。その反対に「殺人者の空」は完成形というよりも、逆に後退してしまった気がする。あとは「開放時間」が単純に楽しくていい。2011/11/16

かとめくん

7
なかなか不条理感が快感。「メシメリ街道」渡れない道路は何を分断しているのだろう。「開放時間」人生の目的って何だろう…「闇に星々」ちと被害妄想的かな。「Tと失踪者たち」不条理世界のサバイバルと皮肉な結末。「φ(ファイ)」自殺願望と戦うなんてやだな。「森の人々」森と同化かぁ。「殺人者の空」う~ん、難しい。時代の熱も違うし。「内宇宙の銀河」自分も丸まっていたい。「ザ・クライム」登山中の不条理は不安をあおる。2012/08/20

けいちゃっぷ

6
全体に『鳥はいまどこを飛ぶか』よりは読みやすく感じた。 一番期待した「Tと失踪者たち」は作者もいうようにダラダラと書き連ねた印象で、初読時のインパクトは消えていた、残念。 「開放時間」は珍しや時間SF。初期のころはこういうのも書いていたんだね。 この中では作者イチ推しであろう表題作も、なんか学生運動の延長のようで・・・。 山野浩一の小説を読むと「ひねているだけ」という印象が強いのだが、それよりも作者が後書でグダグダ書いてるのが目障り。 いい年こいて、なにを斜に構えてんだか。 379ページ2012/07/31

omemegaro

4
傑作選1より先に読んだ。不条理な何かに巻き込まれたとき、人はどう振舞うのかを様々見せてくれる。前半のほうは個人や意志を失わない感じ、後半に行けば行くほどとりこまれたり取りこぼされたりする。「殺人者の空」「内宇宙の銀河」は特に設定が良く、「内宇宙の銀河」のほうは伊藤潤二か黒沢清か、そんな感じの人間がちょっとズレたような不穏さが漂っていた。軽やかな時間SFの「開放時間」も好き。 「ザ・クライム」はキスリングとかラジュースとか知らない山岳用語がたくさん出てきた。2024/01/31

シロビ

3
「開放時間」「Tと失踪者たち」「φ」「内宇宙の銀河」が好き。短編集Ⅰと比べて、現実がさらに遠くにいってしまった…という印象。自分を取りまく現実への違和感。そこから抜け出してみたいとう感情。しかし、自分の思考の外の世界には出られないという現実。何も求めず生きていられたら楽なのに、世界の、自分の意味を考えてしまう。ぐるぐると。一度くらい自分の思考から開放された世界の景色をみてみたいなぁ。2019/07/27

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