内容説明
ほんとうの「女性活躍」って何だろう?日本ではなぜ家庭と仕事の両立が難しいのか、どうしてキャリアを築けないのか…。女性と仕事を一から問い直す、挑戦の書!資生堂、P&G、Google…企業の実践例と、最新データ多数掲載。
目次
アメリカと日本の「静かな革命」
労働経済理論とその見落とし
ジェンダー革命と出生率の回復
なぜ女性は仕事を辞めるのか
男女格差のメカニズム
転職しづらい日本の労働市場
教育と女性の就業
企業の法対応の功罪
非正規労働と女性の貧困
男性へと拡がる格差〔ほか〕
著者等紹介
大沢真知子[オオサワマチコ]
労働経済学者。1952年東京都生まれ。1980年南イリノイ大学経済学部博士課程修了。1984年同大学で経済学博士号を取得、シカゴ大学ヒューレットフェロー。1986年ミシガン大学ディアボーン校助教授。1987年日本労働研究機構研究員。1990年亜細亜大学助教授。1995年同大学教授。1996年日本女子大学人間社会学部教授。2013年日本女子大学現代女性キャリア研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
20
日本の女性の就労に関する実態を分析した本。放送大学のテキストを編集した。2015年に女性活躍推進法が成立したが、2026年までの時限立法であり、女性の管理職に占める割合は1割台と低迷している。本書では、女性の賃金が上昇しない要因を性別役割分業やそれに基づく税と社会保障制度の仕組、または企業の雇用慣行に求めている。現在の格差社会の特徴は、非正規雇用の急激な増加による貧困層の極端な貧困化にあり、これが女性の就労及び生活設計の大きな課題になっているという。状況を掴む意味では勉強になる一冊である。2023/06/03
とよぽん
18
労働経済学者である大沢真知子氏による、現代日本の労働環境と意識を分析した本だ。女性が働きやすい社会に・・・と政策やら企業の就業規則やら、世間の動きは一応ある。しかし、いろいろな統計資料から暴かれる現実は、違う。東京医大の女子の点数操作も、男性社会の勝手な暴挙だ。大沢先生の目指すような、21世紀の働く女性像が少しずつでも実現していくように・・・やっぱり意識改革が必要だ。2018/08/03