内容説明
ブルームーン(六月十五日)。妻は庭のブルームーンの咲いたのを三つ切って来て、書斎のサイドテーブルに活ける。――山の上の家で、たんたんとした穏やかな日常。子供も成長し、二人きりの老夫婦に、時はゆったりと流れてゆく。晩年の庄野作品の豊かさと温もりを味わえる上質の文学。
目次
星に願いを
あとがき 単行本 庄野潤三
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふるこ
5
読み終えて優しい気持ちになる。うれしい、おいしい、ありがとうがいっぱい出てきて読んでいて落ち着いた穏やかな心地になってくる。今年2月の山の上の家の公開におじゃましたのだけど実際に見た景色を思いながら読んだ。今度は9月の公開で夏のお家を見てみたいな。2019/05/27
kurumi
4
ありがとう、うれしい、おいしい、よかった…。素直な気持ちが読者にも共鳴し、心が豊かになる。奥さんとのやり取りが微笑ましく、とても羨ましくなると同時に、後世に遺したい穏やかな生活史の一端だなと強く感じる。いつまでも笑顔で、楽しい時間を楽しみ、今ある生活に感謝できる素敵な人である事が文章から伝わり、つい私も笑顔になった。晩年の作品とのことで、他のエッセイも読んでみたいと思う。とてもよい読書でした。2022/01/01
ぴちゃん
3
静かで暖かい家族のエッセイ。 庄野先生晩年の奥様との丘の上の家での毎日を綴られている。ありがとう・うれしいなど先生のポジティブな言葉が多くて、読者も暖かい気持ちになる。 毎日似たような生活を送ることはこの世で1番幸せなことなのかもしれない。2022/03/24
ライム
2
文芸誌の連載をそのまま本にしたので仕方がない?のか、同じ内容を2回書いてあるところが散見する。80代という著者の年齢から、「年寄の同じ話」状態を読書でもリアルに感じられるという作りか。でも自分の出した本について繰り返し語る箇所、『メジロの来る庭』出版後10日程で重版決定『ピアノの音』が文芸文庫に入り『夕べの雲』も文庫で版を重ねた…本書タイトルがピノキオの歌から来ているだけに、ワザとやってる可能性を疑う。でも愚痴や弱音が一切無く、感謝と喜びを主に綴った所、好感持てます。2025/04/06
toko-toko
2
最初の1ページを読んで、またやったかと思った。 一度買って読んだ本を再度買ってしまったかと思ったのだ。 調べるとそうではなかった。 庄野潤三晩年の作品はこういうものだった。 老夫婦二人暮らしの様子が描かれ、同じような内容が繰り返される平穏な日常なのであった。2016/09/08
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