経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

  • 著者名:鈴木亘【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 東洋経済新報社(2016/10発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492444344

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内容説明

著者の鈴木亘教授は、年金や生活保護など社会保障問題を専門とする経済学者。橋下大阪市長(当時)に年金問題のレクチャーをしたことをきっかけに、2012年3月「西成特区構想担当」大阪市特別顧問に就任した。誰も手を付けられなかった、日本最大のドヤ街「あいりん地区」の地域再生を構想・立案する仕事だ。
 以来4年間、多いときには週2~3回大阪に足を運び、「特区構想有識者座談会」座長や、住民参加型の大集会「あいりん地域のまちづくり検討会議」の司会をつとめてきた。
 2015年1月にはようやく、一連の改革の「象徴」ともいえる、老朽化した「あいりん総合センター」(1970年竣工)の建て替えに道筋がついた。この一連の経緯を「当事者中の当事者」である鈴木亘教授が詳細に描く。あいりん地区には「人口減少、高齢化、貧困」という日本の大問題が凝縮されており、本書を通じて読者は、これらの問題について深く考え、地域が主体となってこれらの問題に取り組むヒントを得ることができる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

79
経済学者って政府のエライ方々に意見書と報告書を書くだけで「ほな、さいなら」の人かと思ったが、橋下市長(当時)の特別顧問だけあってそうは問屋が卸さない。お役所名物の「縦割りジャングル」や行政不信の町内会・民間団体の間で、ときに地雷を踏みながら調整や政策の実行に走り回っていた。経済学の知見をフル活用して西成区を変えようとしている鈴木先生は、「エコノミスト」というよりは「ニシナリスト」じゃないかな?2016/11/15

きみたけ

65
著者は元日本銀行勤務、年金や生活保護など社会保障問題を専門とする学習院大学経済学部教授の鈴木亘教授。2011年「西成特区構想担当」大阪市特別顧問に就任、誰も手を付けられなかった日本最貧困地域「あいりん地区」の地域再生に奮闘した3年8ヶ月の全記録。いくら立派な政策を提唱しても口先だけでは改革は実行できない、そのためには「実施体制」を地道に作り上げることが大事で、特に市役所などの役人との仕事をしていく上で必須事項だということが伝わります。ある意味会社組織においても大事な対処策であり、とても参考になりました。2022/04/10

ごへいもち

45
良い本だった。経済学は本当に役に立つ。しかし無給の学者や学生がボランティアで金にならない作業ができるのは大学の懐の深さだとも気付いた。この状況は残ってほしい2017/07/08

サトシ@朝練ファイト

45
長年、大盤振る舞いを続けてきた大阪市の財政は、もはや、第2の夕張かと噂されるほどの危機的状況。あいりん地域は、貧困、環境、治安、衛生などの諸問題が集中する「社会問題のデパート」。つい5年前までは西成署の裏でも覚醒剤を売ってたんだ。「集積の利益」とは初めて知る単語だが、日本でもこんな改革が可能なんだ。労働者団体とキリスト教系団体との協働というのも初めて知りました。2017/01/05

きいち

44
よし、自分も自分の現場で試していこう、やったるで的な、そんな勇気と希望が持てる本。◇経済学なめてた。図式的な思考ばかりで、「正解よりも納得解」のこのご時世に実践力はないなんて思っていたが、大間違いだった。取引の手間や信頼・信用、リスペクトといった数値換算できないものまで大きくひっくるめた、一つレイヤーが上がったところでは、ちゃんと合理性が成立するのだ。◇著者とは考え方が全く異なるであろう地域の活動家の人びとも、動けなかった役人も、皆が同志となれる場づくり。ゆるやかなつながり。◇直接民主主義の大きな可能性。2017/06/09

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